真霊論-宗優子

宗優子

宗優子は日本の霊能者、仏教セラピスト、心理相談員である。
その能力としては、サイキック・アイ(≒霊視)ができることを強くアピールしている。特に有名なのは心霊写真の鑑定であり、この分野ではメディア出演や著作も多い。
また、ふだんの霊能者としての活動においては、除霊師・浄霊師である神島剣二郎と二人三脚で展開していることで知られる。

経歴と、メディアとのかかわりかた

宗の大叔母は、関西地区では有名な霊能者であったという(公式ウェブサイトより)。宗がこの道に進んだのも、その血筋から知らず知らずのうちに能力が備わっていたためである。
1991年から霊能者・超能力者のネットワークを主宰し、霊能者としての活動をスタートする。名古屋、大阪、横浜などでイベントを開催し、多くの霊能者を集めたことで話題になる。集まったなかには、のちに有名になる霊能者たちも少なくなかった。このネットワークは四年間継続し、一定の成功を収める。
このあとを受け、1996年には編集者・菊地勝(秋田書店「サスペリア」の編集長等)の紹介で心霊写真鑑定をはじめる。これが本格的なプロの霊能者としてのデビューであった。以後、多くの著作の出版やビデオ制作などで着実にキャリアを積んでいく。
メディア露出が劇的に増えたのは2001年以降である。心霊現象を扱ったテレビ番組にコメンテーターとして呼ばれることが増えた。なかでも、フジテレビで不定期に放送されている「ほんとにあった怖い話」シリーズには十回以上も出演し、心霊鑑定師として一定の地位を築き上げることに成功したといえる。
一方で、2000年代半ばにあったスピリチュアルブームからは一線を引いているような印象がある。あくまでも、神島との全国行脚こそを活動のメインに据え、真に世のため人のためとなるべくマイペースに取り組み続けている。
反面、自身のかかわった著作には、心霊現象を娯楽的なアプローチで捉えたものも少なくなく、評価は分かれるところである。霊能者と除霊師がコンビを組んで活動している点も、マッチポンプではないかと批判の対象となりやすい。

霊能者としてのスタンス、特徴

著名な霊能者の多くは、自身の事務所や自宅などを相談室として使用し、依頼者を招き入れて相談を受けるというスタイルをとっている。それに対し、宗の場合は自ら全国を回ったり、インターネットを活用しての心霊相談も行っているのが特徴である。全国各地を巡った様子は、ブログでその都度公開したり、DVD化して販売されてもいる。
また、日本心理学会認定心理士の資格を所持していることや、日本応用心理学会および日本カウンセリング学会の会員でもある点も特筆すべき事項だろう。現在の日本の法律においては、霊能者として活動するために特別な資格が求められるわけではない。大半の霊能者は、我流で独自の活動をしており、その能力を保証するものは評判や口コミだけなのである。これは、悪徳霊能者が幅を利かせる温床となっているともいえる。
宗は、社会的な立場を明確にしたうえで、信用されうる霊能者として活動をしようと心がけているのである。
事実、宗のウェブサイトには、霊能者へ相談する際にはしっかりと事前に相談料を尋ねたうえで訪問するよう勧める一文がある。霊能者の能力はたしかに常人にはない特有のものであるが、特権化し神格化する必要はないのである。医師や弁護士の能力を必要とするときに金額を確認することがおかしくはないように、霊能者への相談のケースでも、遠慮せず金額を尋ねる権利があるのだと、宗は主張している。
インターネットとの向き合いかたからも窺えるように、宗は従来の霊能者のイメージにあるような閉鎖性・神秘性から距離を置こうとしているといえる。霊的な現象および鑑定行為がもつ不透明さを取り除き、健全化を図っているわけである。
たとえば一部の土着的な霊能者は、相談の依頼をする方法すら公表されておらず、紹介がなければ予約も入れることができない。もちろん、このこと自体は霊能者本人の考えかたの問題であり、一概に肯定も否定もできない。誰も彼もを受け入れていたら予約があっというまにいっぱいになってしまうという事情もあるだろう。しかし、「紹介料」という名目で不健全な金銭の動きがあると噂されるケースも多いのが実情である。
宗の場合はウェブサイト上で電話番号をはっきりと明示している。相棒である神島にいたっては携帯電話の番号を公開しているほどである。
宗が、一貫して悪徳霊能者に騙されないよう相談者に警鐘を鳴らし続けていることは、疑いようのない事実である。

《さ~そ》の心霊知識