下ヨシ子は日本の宗教家、霊能者、福運アドバイザーである。宗教法人肥後修験総本山六水院の管長として知られる。
テレビ出演や書籍への執筆も多くこなしながら、浄霊の相談にのるなどしている。
下は1952年、佐賀県で生まれた。
霊能者には、幼少期から能力を発揮していたタイプと、大人になってからある日突如として目覚めるタイプとに大別されるが、下は前者にあたる。
貧しい家庭環境だったため、下は幼いころから弟や妹の世話を任されることが多かった。そのため、ろくに勉強する時間をとれなかったが、それでも試験で満点をとることがたびたびあったという。これは、下に予知能力があり、前夜に試験問題が見えたためであった。ピンポイントで必要な場所だけを覚えることで試験を乗り切ったのである。
しかしながら、しばらくはこうした能力が表立って活用されることはなかった。
転機は44歳のときである。ある日、下は原因不明の高熱に襲われた。その際、六字明王と出会ったのだという。これをきっかけに、福岡県の修験真言宗大本山金剛寺で得度を受け、修行を積み、本格的に自身の霊能力を生かすことを決意する。
その後、ほかの霊媒師が何人も挑戦しながらもいずれも失敗に終わった岐阜県のポルターガイスト現象を鎮静化させるという実績をみせてからは、その知名度を一気に向上させることとなった。
メディアへの露出は、1998年、フジテレビのバラエティ番組「奇跡体験!アンビリバボー」に出演したことを機に劇的に増えた。このとき下は、競馬の結果を予知し見事的中させたのである。以後、書籍への執筆や講演活動など、活動の幅を広げている。近年では、下が監修したiPhone用のアプリまで販売されている。
現在の活動の基盤である宗教法人肥後修験総本山六水院を開基したのは、2005年のことだ。熊本にある本院のほか、京都や東京、石川などに別院や支部があり、影響力はますます強まる一方だといえる。
下の予知能力は、「流生命」というシステムにまとめられている。これは、下が飛行機にのっているときに六字明王から授けられたものであるという。すなわち預言であり、流生命は占いではなく予知なのだと下は主張している。
このシステムでは、あらゆる人が男女別に10のタイプに分類される。具体的には以下のとおりである。
【0:水流生】 女性の場合は、直感力に秀でている。一方でしたたかさも持ち合わせているため、世渡りが非常にうまい。着付けの先生や宝飾関係、化粧品関係など、美しさにまつわる職業に向いている。
男性の場合は、困難にまみれる人生となるが、それでも泳ぎ切れるだけの能力をもっている。経営者向きの性格だといえよう。ただし個性が強すぎるため、好き嫌いの分かれるタイプでもある。
【1:光流生】 女性の場合は、少女のような可憐さを生涯もちつづけ、誰からも好かれやすい。悪いときにも、手をさしのべてくれる人が必ず現れるため過度な心配はいらない。結婚生活に向いている。
男性は穏やかな性格の持ち主である。慎重だが、ここぞというときは大胆さも持ち合わせており、チャンスには鼻が利く。ただし金銭絡みで失敗することが多く、おいしい話には注意が必要である。
【2:火流生】 女性は安定志向である。よいときはよいが、悪いときは保身に走るあまり余計に状況を悪くしかねない。未知なるものをおそれるため、食わず嫌いになりがちで、世界を狭くしてしまう場合もある。寛容な心をもつよう心がけるとよい。
男性は義理人情に篤い。親分肌で熱血漢の場合も多いだろう。しかし、ともすると猪突猛進となりがちで、波瀾万丈な人生をおくりやすい。ときには冷静さも供えることが必要だ。
【3:奏流生】 女性の場合は才色兼備を地でいくタイプ。好奇心も旺盛であり、芸術的なシーンと縁が深い。社交によって人の縁を繋ぎ、それによって人生の幅も広がる。人との出会いの数だけ人生も充実したものとなるだろう。
男性の場合も社交性が高い。人の輪に入っていくばかりでなく、自らが人の輪を作るタイプであるといえる。実力者との出会いによって大きく人生が転換する可能性もある。こちらも、より多くの人と出会うことが望まれる。
【4:地流生】 女性はマイペースである。周囲に惑わされることさえなければ、ゆっくりでも自分の力で人生を切り開いていくことができる。心身ともにしっかりとコントロールすることができ、地に足の着いた一生をおくれる。
男性は苦労人である。しかしながら、地道な苦労をこつこつと続けることで、想像以上の大きな成功を収める可能性も充分にある。強い信念を持ちつづけ、また、その信念に違わないだけの努力もつづけることが重要となる。
【5:天流生】 女性はポジティブな性格の持ち主である。また、そのポジティブさゆえに、物心ともに恵まれた境遇も得やすい。このタイプにとってはピンチもまたチャンスとなりうる。幸運な星の下に生まれたといって過言ではないだろう。
男性も良い運に恵まれている。ただし、次々と幸運が訪れるような種類の運ではなく、気づけば困難が通り過ぎているというような、器用に立ち回れる運である。高望みしすぎないほうが吉と出る。
【6:風流生】 女性の場合、周囲の環境が大きく影響する人生となる。特に男性からの影響は大きく、愛に生きるタイプといえる。理想の男性と結婚することができれば大きな幸福を得られるが、相手が悪ければ悪い影響も受けやすい。パートナー選びはどこまでも慎重にするべきだろう。
男性の場合は、ひらめき型の人間である。クリエイティブな職業に就くとその特性をいかんなく発揮できる。ゼロから物を作り出す才能があるが、世に認められるためにはチャンスを見極めることも重要であり、待つ能力も求められる。
【7:空流生】 女性は純粋で、疑うことを知らないような性格の持ち主である。誰もに好印象を与えるが、純真すぎて騙されることもあるので気をつけたい。向いている職業は接客業など。
男性の場合は孤高の人。他人との争いを嫌う一方で、自分自身には厳しい目標をストイックに設定し、現状に満足することなく果敢に挑みつづける性格。曲がったことが嫌いなため、周囲には誤解されることも多い。一人でも理解者がいるとだいぶ違う。
【8:海流生】 女性の場合は思いやりの深い性格である。尽くすタイプといえる。周囲もその思いやりの心を返してくれるだろう。他方で、自身のキャパシティ以上に他人に尽くしてしまうという見栄っ張りな側面もあり、不幸になるおそれもある。
男性は忍耐の人生となる。ただし、神はそれに耐えうるだけの気力と体力を与えてくれているはずで、無事に乗り切ることができれば栄光を掴むことができるだろう。
【9:気流生】
女性は気配り上手。気配りができるということは、自分に余裕があることの裏返しでもある。隠れた努力の得意なタイプだといえる。また、場の読みかたに秀でているため、運気を読む力も備わっている。
男性の場合は頭の回転がきわめて速い。アイディア屋として活躍できる。能力をうまく生かせば、順風満帆に出世街道を邁進できる。
このような分類に基づいたうえで、毎年秋には翌年の流生命についてまとめた本を出版し、ベストセラーとなっている。
霊能力自体には定評がある一方で、有名になりすぎたか、近年は金銭絡みのトラブルも目立つ。
最も有名なのは、浄霊代の名目で過大な金額を請求されたとして訴訟を起こされた例である。名古屋市在住の主婦が起こしたこの裁判は、2011年6月現在、まだ係争中である。
また、下の息子である俳優の水元秀二郎は、2009年に元モーニング娘。の加護亜依と不倫スキャンダルを巻き起こしており、下の名前が本業以外でもたびたびメディアに踊ることとなったのは記憶に新しい。
露出の多い霊能者はどうしてもトラブルに見舞われやすく、また、相談料も高額になりやすい。やはり依頼する際には慎重に考えるべきであろう。