真霊論-先祖の因縁

先祖の因縁

因縁とは『関係やゆかりのある』と言う意味であるが、新宗教や霊能者(※)が伝える因縁の意味は悪業の因縁や土地に代々災いする因縁など悪い部分のみを強調する傾向がある。
その中で最も多いのが先祖からの因縁である。
先祖からの因縁とは、先祖に悪業を働いた者が居て、その者が様々な人々を不幸に招いたため、その不幸にされた人の怨みの念や復讐心を先祖代々、現在に至っても受け継いでしまう事を言う。
また、先祖の願いに反した生き方をした子孫を、先祖が怨み、その子孫を不幸に貶めようとする行為も先祖の因縁と言う。
先祖の因縁が今になっても様々な事に災いするとよく言われるが、理由は先祖や先祖に関わった人の霊魂(※)が今もなお供養(※)されずにこの世に留まっている為である。
そのため先祖の因縁を終わらすためには確りとした供養が必要とされている。

まやかしの多い先祖の因縁


先祖の因縁が災いしていると言い信者等を脅し多額な除霊などを勧める霊感商法(※)が非常に多いので注意が必要である。
騙される当人も先祖の事など殆どが知らないであろう。それを彼ら偽霊能者や悪徳宗教団体は上手く利用し商売をしている。
例えば先祖に自殺をした者が居ると言う偽霊能者が多く居るが、年間3万人もの自殺者が居る自殺大国と言われる日本では先祖を遡れば一人位の自殺者が居る確立は高い。
また先祖を辿る事は無限を意味している、話につじつまが合わないと数百代先の先祖の話をしていると言い訳する偽霊能者も居るほどだ。
普通の人であれば3代前の先祖すらその生き方や業を知る事は難しいであろう。この事実が霊感商法の材料として使われやすい理由である。

先祖因縁の種類

先祖の因縁には、良因縁と悪因縁がある。
以下に、先祖因縁によって引き起こされる現象の主なものを挙げる。
・良因縁
経済的に大過なくすごせる
良縁による結婚
よい家庭環境
子宝に恵まれる
本人及び子女が成績優秀、運動能力が高い
学校、職場で良好な人間関係を保てる
自分にあった土地、家(物件)への居住
心身ともに健康
など
・悪因縁
家族関係の不和
不妊、堕胎
本人及び子女の引きこもり、登校拒否
ニート、無気力症候群
パートナー及び本人の浮気性
離婚
原因不明の病気
度重なる怪我
統合失調症、うつ病などの精神疾患
自殺
交通事故 など不慮の事故
学校、職場での人間関係の不和
友人に恵まれない
借金
アルコールやギャンブルへの依存
など

いつ頃の祖先の影響を受けるか

一口に「先祖」と言うが、大体3?4代前までの祖霊を指す事が多いようだ。
基本的には父方の血縁関係からの影響を受けやすい。これは両親が離婚していても変わらない。
男性なら男性の祖先からの因縁を受け、女性は女性の祖霊が関わってくる。
また、家系的には「縦のライン」が鍵となる。
例えば2人兄弟であれば、兄は曽祖父、弟は祖父からの因縁を受けることになる。直接の繋がりである父親は省いて考えなくてはならない。
また、10~11代前の因縁が表れるとする説もある。

先祖の因縁と遺伝

先祖の因縁というものを科学的に考えると、遺伝的な要素が深く関わっているようだ。
人の性格や行動というのは、生まれ持った身体的器質や、環境などに左右される場合が多い。
例えば、肥満型は循環気質(社交的、情が深い、活発、たまに気分が落ち込むなど)を持つ人が多く、双極性躁うつ病を発症しやすい、ということが分かっている。
(勿論、これが全ての肥満型に当てはまるわけではない)
これを「先祖にも精神疾患に悩まされた人がいたため、因縁となって現れた」と取るか、隔世遺伝などが原因であるか、とするのかは、微妙な問題である。
単に解釈の違いとも言えそうだ。
また、ある出来事に対して、どんなふうに考え行動を起こして行くのか、というのは、やはり両親や祖父母などの血縁関係や環境からの影響が大きいだろう。
「親の背中をみて育つ」ということわざがあるが、祖先が過去に脈々と繰り返してきた家庭の営みが自分まで繋がっていると思えば、起きがちな問題が似てくるのは当然なのかもしれない。
今生きている人間は、ある日突然誕生したわけでなく、沢山の祖先があって生かされているということである。

因縁を生かす・断つには

先祖からの良い因縁を生かし、悪い因縁をシャットアウトするための方法、発想法を紹介する。
・祖先へ感謝の心を持ち、供養を心掛ける
過去の祖先があってこそ、今の自分に生命があり生かされているのだ、という事を心に留め、感謝する習慣を身につけることは大切だ。
欧米の一神教の国には先祖供養という概念がない。全ての祈りは、全知全能の神に向かっている。
しかし多神教の日本やアジア諸国では、神や自然に宿る精霊、祖霊にランクをつけず同じように感謝し祈りを捧げる。
真摯な祈りは霊魂に伝わり、自分を謙虚に保つ礎にもなる。良因縁を引き寄せるベースを育んでくれるだろう。
・自分の内面を常に冷静に見つめる
先祖の因縁とは別に、「今世因縁」というものがある。
因果とも呼ばれるが、自分が巻いた種は自分の身に降り注ぐ、という思想だ。
良いことも悪いことも、一番大きい原因は己の心や行動に起因する。
物心ともに「自分を知る」ことは、大局的にみればそれは先祖を知ることにもつながる。そしてそれを踏まえて行動出来れば、悪い因果は回避され、良い因果に恵まれるようになるだろう。
しかし、「ここは弱点だから直そう」「長所だから伸ばそう」などどやたらにジャッジするのはナンセンスだ。ジャッジには必ず不平不満が混ざるからだ。
ありのままの自分を見つめ受け入れることで、人生のほとんどの問題は意味をなさなくなる。
ただ、与えられた生命を精一杯生きることが、因縁の最大の活かし方であり、未来へ良因縁のバトンを送れる方法でもあるだろう。

《さ~そ》の心霊知識