真霊論-精霊

精霊

日本において精霊は、「せいれい」と読むか「しょうろう・しょうりょう」と読むかでまったく意味が異なってくる。
「せいれい」と読んだ場合は、日本にも太古にあった自然崇拝(アニミズム)における考え方である万物に宿っている霊体、とくに人間以外外の自然界に存在している霊的なエネルギーを意味する。
おなじみの妖精もまた、精霊の一種である。
また、「しょうろう・しょうりょう」と読んだ場合には、「死者の魂」を意味する。
海外では精霊はspirit(s)と表記するが、主に人間の魂はsoul、人間以外の霊的なエネルギーを精霊spirit(s)と表現するのが一般的である。
特にキリスト教文化圏においては、精霊の中でも守護天使などの聖なる存在を、「聖霊」(The Holy Spirit)と呼んで区別している。

アニミズムにおける精霊の存在意義

自然崇拝(アニミズム)において精霊(せいれい)は、自然界の各生命を守護する目的として存在しているとされる。
人間や動物には、精霊に代わる存在として魂があるが、人間・動物以外の農作物・樹木・魚類他の生命には、魂がないとアミニズムでは考える。
そのため、その生命を守護する存在として、さまざまな精霊が存在すると考えるわけである。
例えば、「四大精霊」として、水の精:ウンディーネ、火の精:サラマンダー、風の精:シルフ、地の精:ノームなどが想定されている。
これによって海や川の生き物は、水の精とその派生した精霊たちによって守られることになる。
樹木などは地の精ノームの他に、さまざまな精霊たちがいて、植物や鉱物にいたる各生命を守ると考えられている。
これら精霊たちが実在かどうかに関しては、意見が分かれるところであるが、自然崇拝をしているシャーマンたちに言わせれば、「精霊は実在する」と断言している。
たしかにこうしたシャーマンの実在説を裏付けるような証言・証拠も、これまで世界各地でたくさん挙げられている。
中でも特に地の精ノームは、中南米などで実際に目撃事例が多く、多数の証拠映像も撮られている。
最近、日本でも目撃事例が増えている「小さいおじさん」と呼ばれる存在も、もしかするとノームの一種である可能性もあるだろう。
さて、こうした精霊たちは、自分の与えられた使命に忠実である。
従って、人間が自然界に対し失礼となるような行為に及べば、当然ながら守護すべく攻撃をしてくることになる。
そこでシャーマンたちは、自然界の領域に立ち入る入る際には、「祈りの儀式」を捧げ、精霊たちに許しを乞うようにするわけである。
日本で信仰の対象となっている「龍」も、こうした精霊の一種と考えることができる。

古神道における精霊=死者の霊

古神道においての「精霊(しょうろう)」は、先祖崇拝としての故人の霊や魂を意味する。
この場合の精霊は、死後に訪れるとされる霊界に旅立てた魂で、いわば成仏できた霊・魂である。
この世に残ってしまった霊・魂に関しては精霊とは呼ばず、幽霊・亡霊などと呼んで区別している。
長崎県内各地でお盆に行われる伝統行事「精霊流し」も、こうした古神道の伝統にちなんだ儀式である。

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