真霊論-残留思念

残留思念

「残留思念」とは、生命体もしくは霊的エネルギー体の発した感情などの「思念」が、物や場に「宿る・残る・記憶される」とする考え方である。
「残留思念」は、霊的現象・超常現象を解釈する際にしばしば使われる。
例えば、幽霊現象の解釈において、霊の正体を「残留思念」とする説がある。
これは幽霊現象を引き起こす霊とは、人間の本質体である魂などではなく、その場に残留した思念があたかも亡き人の霊が未だにそこに存在しているかのように感知されている、とする説である。
この場合、魂自体はすでに次の輪廻のサイクルなど、進むべき道へ向かっていると考える。
「残留思念起源説」によれば、「人形に宿る霊」なども残留思念が引き起こす心霊現象の典型例ということになる。
かつてその人形と因果のあった人の生前の思いが、その人形に宿り、何かしらの心霊現象を引き起こすと考えるわけである。

サイコメトリー現象から見た残留思念の可能性

物や場に思念が残留するという考え方は、明らかに科学的な根拠は希薄である。
しかし、例えば超能力のひとつである「サイコメトリー」のように、「物質を触ることでそこに残留した思念を含む情報をキャッチする」という現象は実際に起こっている。
従って「現象ありき」の帰納的な論法で言えば、サイコメトリーが実際に起こる=思念が残留もしくは記憶される、という可能性は十分にあるということになる。
では、思念がどのように物に残留するのか、いくつか可能性のある考え方を紹介しよう。

●思念が信号情報となる
思念がある種の信号もしくは電磁波のようなものとして、物に滞留するという考え方である。
さらに詳細に言えば、その物を構成している分子など、微細な素粒子レベルにおいて、この信号情報が宿ると考えるわけである。
日本だけでなく海外でも人気となったスピリチュアル本『水からの伝言』(江本勝著)は、水が人間の意識波動などを記憶することを記した本である。
この本が根拠とするのも、「水の分子が波動の記憶媒体となる」という考え方であり、いわば「水が記憶した残留思念」ということになる。

●指紋などの3次元情報からのアクセス
これは、物に残留した思念ではなく、物に残った指紋などのその人物関連の3次元情報を窓口にして、そこからサイコメトリーが行われるとする考え方である。
超能力者の意識は、残された指紋に触れれば、その指紋を窓口にしてその指紋の持ち主の意識とつながることができるというわけである。
指紋自体は3次元情報であるが、そこから時空を超えてその指紋の持ち主の意識などとつながるので、このアクセス部分においては5次元的な超感覚・能力が発揮されていることになる。
実際に、握手など相手と触れた瞬間に、相手の強い思念が読み取れる、という超能力がある。
このリーディング能力が、物という媒介を経て行われるとする考え方である。
また、角度を変えて表現するなら、「物に残された指紋などの3次元情報に、その指紋の持ち主の残留思念が宿っている」とも言えるだろう。

電磁場としての心霊スポット

場や空間に残留する思念は、心霊スポットの解釈においてしばしば使われる。
これは、まず人間の思念をある種の電磁波と考える。
次に、例えば自殺の名所など、まったく同じ場所で数回の自殺が行われた場所があるとすると、その場には、多くの人の無念の思いなどが、ある種の電磁場的な集合体を構成する、という考え方である。
同様に、心霊現象が起こる家などにも、何かしらの強い思念が「場」を形成していると考えるわけである。
この場合、その霊の正体は電磁場としての思念であり、魂など意志を持ったエネルギー体ではないと考えることになる。
もちろんこの考え方は、心霊現象のうちのごく一部を説明することはできても、ポルターガイストのような「意志的な現象」までも説明できるわけではない。

《さ~そ》の心霊知識