真霊論-浄霊

浄霊

浄霊とは除霊(※)と違い人や物体に憑依(※)する霊を諭しこの世から霊界におくりとどける行為の事を言う。
除霊は無理やり霊を引き離す行為であり、浄霊は霊に納得してもらい霊界に返す行為である。
浄霊の方法は宗派や霊能者により異なるが、主に和鎮という方法を用いる。
■和鎮の方法
元々憑依をする霊はこの世に執着する理由があるが、その理由を霊に直接聞き、その無念や鬱憤を霊能者が自分に置き換える事から始める。
置き換えるとはその憑依霊を自分(霊能者)の体や魂と同調させる事を言う。
あるいは憑依されている人(A)を更に深い憑依状態にさせ霊の言いたい事をその人(A)の口や身体を使い言いたい事を言わせたり表現させる。
憑依霊の執着する理由を知った霊能者は強制的な除霊儀式ではなく、いわゆる憑依霊に対しカウンセリングを行うのである。
この世に存在する様々な心理カウンセラーがいるが、彼らも才能があり活躍している。
浄霊を行う霊能者も同じように人(霊魂)を鎮める才能が必要であるという事だ。
単に霊能力が在るだけでは浄霊は出来ないという事である。

憑依霊は必ずしも悪霊ではない

人間に取り憑く霊魂は、必ずしも悪さをしようとして取り憑いているわけではない。よく知られるとおり、霊魂と人間とは住むステージの違う存在である。そのため、結果として人体に悪い影響を与えてしまうケースが目立つが、霊魂は霊魂の原理で普通に振る舞おうとしているだけの場合も多いのである。
悪意をもって取り憑いてきた霊であればともかく、そういうわけでもないのに止むに止まれぬ理由で取り憑いている霊魂までを「悪霊」や「怨霊」などと呼んでしまうことは、横暴だといえるだろう。
これは、憑依した霊の事情を理解しカウンセリングしようという浄霊の精神からは、むしろ正反対の考えかたである。
そうした霊魂だからこそ、浄霊の必要性があるのだ。
除霊で無理やりに人間から引き離されても、霊魂はその後も現世をさまよい続けるだけであり、また再び違う誰かの肉体に入り込むことになってしまう。力の弱い霊であればなおさら、人体に依存しなければ生きていけないのだから顕著である。
これでは、幸福になるのは最初に取り憑かれていた人間だけであり、根本的な解決には繋がらない。
浄霊は、人間のみならず、霊魂にとっても幸福な解決をみせようというものである。
この意味で、浄霊は「助霊」なのだと主張する霊能者もいる。

用語としての「浄霊」

また、浄霊という言葉には、上述のような霊能力的な意味のほかに、宗教団体によっては独自の意味を付与しているパターンも少なくない。
宗教的儀式としての浄霊は、手かざし等の仕種によって病気を治したり苦悩を解決したりしようとするものであり、ヒーリングの一種だと捉えることが妥当だろう。
この意味での浄霊は海外においても「Johrei」として意味が通じる場合がある。
ただし、こちらの浄霊は、神秘的な力のみをその根拠としているため、その効能には個人差も見られる。くわえて、その宗教への信心の深さも問われることになる。よって、霊能者のおこなう浄霊以上に悪徳業者の温床となりやすいといえ、受ける際には充分な注意が必要である。

《さ~そ》の心霊知識