真霊論-神界

神界

神界とは、主に神道系諸宗派等により、神々など高次元意識体と総称される存在が住まう場所と位置づけられている。
新宗教団体などに共通する階層図によれば、地球など物質次元(3次元)は「現界」である。
次に、死を迎えた「魂・幽体・霊体」は、4次元の「幽界」へと進む。
この幽界では、肉体を持った際の人生における過ちや精神的至らなさを学主し、禊(みそぎ)を行う場とされる。
この禊が終えると、次の5次元以上の「霊界」へと進む。
この「霊界」はエネルギー充電をしつつ、次の輪廻転生を待つ場所である。
輪廻転生のサイクルを脱したものは、最上次元である場所へと進む。
これが6次元以上の「神界」である。
「神界」とは、もはや輪廻転生のサイクルからは離れた、高次元意識体の住まうエリアであり、この宇宙の法則の管理をはじめ、あらゆる真理を作り出すエネルギー体の位置する場所とされる。
「神界」には複数の次元があり、上位次元は「至高存在」のエリアとされる。
また、宗教宗派にこだわる人においては、仏教が崇拝する仏たちが存在する次元空間を「仏界」とし、神道系の神々が存在する次元空間を「神界」とする説もある。
つまり、何をして「神界」かという明確な定義はなく、その存在を信じるものが独自の根拠により定義づけしているのが現状である。

古神道における「神界」

●一霊四魂 
古神道においては、人間の魂を4層構造で構成すると考える。
その4つとは、「荒魂(あらみたま)、和魂(にぎみたま)、幸魂(さきみたま)、奇魂(くしみたま)」である。
奇魂と幸魂は天照大御神の分魂で、魂(こん)と呼ばれ、人間の神性の根源といわれている。
荒魂と和魂は大国主神の分魂で魄(はく)と呼ばれる。
現界が荒魂、幽界が和魂、霊界は幸魂、そして神界へは奇魂が召還されると考える。
ただし、神界・霊界・幽界・現界の四つの世界は、どこか別宇宙に存在するのでなく、この3次元空間において、重なるように存在していると考える。
つまり、3次元世界を生きながらも、同時に奇魂は神界にも属しているわけなので、日々の魂の成長・進化が常に大切であると教えている。

●日拝鎮魂法
四魂における奇魂と幸魂は、天照大御神の分魂であるため、太陽を拝むことでエネルギー強化ができると考えられている。
その手法が「日拝鎮魂法」である。
午前10時ごろまでの朝日は、とても神聖で強い浄化力があるとされる。
この時間帯の神聖な太陽のエネルギーを十分に吸収することで、幸魂と奇魂の働きを強められると言う。 
日拝の時は「アマテラスオホミカミ」という十言神呪(とごとのかじり)を唱える。
こうして日々、奇魂と幸魂の浄化を行うことで、神界とつながるパイプを清め、聖なるエネルギーを活用できるよう霊的進化を図るのである。

仏教における六道輪廻と「神(仏)界」

釈迦は人間が輪廻転生を繰り返すサイクルを、「六道輪廻の世界」と表現した。
この六道とは地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天界を指す。
人間が心の成長、霊的進化を遂げない限り、未来永劫、この六道の中をグルグルと輪廻すると、教えたのである。
六道とは、以下のような世界である。

地獄:死者の境涯のうちでも最底辺の苦報の状態。
餓鬼:貪欲の状態で決して満たされない状態。
畜生:鳥獣虫魚の姿に変えられた状態。
修羅:万事を競争・闘争としか見れない状態。
人間:六道のすべてを含む状態。
天:最も苦痛の少ない安楽の状態。

天界はゴールのようにも思えるがそうではなく、悟りを開くことで、天界を越えた「神(仏)界」へと至る、ことこそ仏教が目指すゴールなのである。

《さ~そ》の心霊知識