エクトプラズムとは、心霊主義で用いられる用語で、霊能者などが霊の姿を物質化、視覚化させたりする際に関与するとされる半物質、または、ある種のエネルギー状態のものです。エクトプラズムという言葉は、フランスの生理学者シャルル・ロベール・リシェが1893年にギリシア語の「εκτος(エクトス)」(外の)と「πλσμα(プラズマ)」(物質)を組み合わせてつくりだした造語です。
エクトプラズムは霊媒の体表、特に口、鼻、耳など体孔から出るといわれ、霧状、流体状、固体状など濃度を異にして現れます²。それをそこにいる霊が利用し物質化したり、様々な現象を起こすといわれます。例えば、交霊会でおこる幽霊現象の素材となったり、テーブルや椅子が空中に浮揚したりする現象での支持物になるといわれます。
エクトプラズムは万人が有しているが、一部の霊能力を有した者だけが、体外に出すことが可能ともされています。霊能力を持つ者のうち、意識的にエクトプラズムを体外に出すことが可能なケースでは、その放出の最中に、強い光を当てたり、許可無く手を触れたりすると、エクトプラズムを出している本人の肉体に強烈なダメージを与えるともされています²。そのために、かつての心霊実験中には、会場を暗い状態に保ってきたという理由付けがなされてきています 。
しかし、今日の超心理学ではその存在はまだ確認されていません。心霊写真で見られるエクトプラズムはほとんどがフェイクであるとされています²。また、高性能な写真機や現像技術が普及した現代では不可思議な写りこみがなくなりエクトプラズムという言葉が心霊写真とセットで語られることは少なくなっています。
エクトプラズムは、19世紀末から20世紀初頭にかけて流行した霊的主義の現象である。当時のメディアでは、超常現象や霊的存在が取り上げられることが多く、エクトプラズムもその一つであった。最初にエクトプラズムが報告されたのは、1880年代のことであり、当時は霊媒師がこの現象を引き起こすことが多かった。
エクトプラズムは、霊的存在の種類によって出現形態が異なる。例えば、人間の霊魂が現れる場合は、人間の形をとることが多い。一方、動物の霊魂が現れる場合は、動物の形をとることが多い。また、霊的存在が抽象的なものである場合は、光や煙のような形をとることがある。
エクトプラズムは、霊的な場所や霊的な活動が行われる場所でよく現れる。例えば、霊柩車の前に現れるエクトプラズムが目撃されることがある。また、霊的なツアーや霊的なイベントで、エクトプラズムを見ることができることもある。
エクトプラズムは、超常現象とされており、科学的な検証は難しいとされている。一方で、エクトプラズムが写真に残ることがあるため、写真による検証が行われることもある。しかし、写真の技術が発達して以降、エクトプラズムが偽物であることが明らかになったため、エクトプラズムの存在自体が疑問視されるようになった
近年では、エクトプラズムの存在自体が疑問視されるようになってきました。その理由の一つは、霊的な現象が科学的に説明できるようになってきたことです。例えば、幽霊の出現や音声現象は、電磁波の影響や音響現象の可能性が指摘されています。また、心霊スポットでの心理的影響や錯覚現象も、調査結果から科学的に説明がつくようになってきています。
しかし、一方でエクトプラズムを信じる人々は、それが霊的な存在の証拠であると考えています。彼らは科学的な説明があったとしても、それは霊的な世界が存在することを否定するものではないと主張しています。
今後も、エクトプラズムについての研究や議論は続いていくでしょう。科学的に証明されるかどうかは分かりませんが、人々の信仰や思考に影響を与える重要なテーマであることは間違いありません。