真霊論-悪霊

悪霊

悪霊とは、生きている人間や土地、建物に対し、非生産的な悪しき行為をする霊魂のことである。
基本的には単体で何かへ憑依する霊というより、「恨み」「憎悪」などの感情を持つ霊がいくつか集まり、より強大な集合体となって人や土地に邪念をぶつけるというもののことを言う場合が多い。それだけ、除霊もやっかいで困難であるとされている。

日本

日本では悪霊の種類はかなり細かく分類が施されている。
以下へ記す通り。詳細は各項を参照のこと。
・自縛霊
・動物霊(善霊の場合もある)
・生霊
・浮遊霊
・色情霊
・餓鬼霊
(生前に悪事を働いた人が成仏せずに餓鬼界という苦悶の世界をさまよっているもの。人にとり憑くと野蛮になる)
これらが持っているネガティブな想念が呼び合って、悪霊という集合体が形成されるのだという。
一度とり憑かれてしまうと相当な災難に襲われる。場合によっては子や孫にまで霊的な被害が及ぶこともあるそうだ。
日本において、悪霊信仰はかなり古くから存在していた。
建国神話が描かれている「古事記」には、ヤマトタケルの悪霊成敗の話が収録されている。
それは「花咲石の伝説」と呼ばれている。簡略は以下の通り。
ヤマトタケルが奥上州へ来た時、山に「悪勢」という魔神が住み、朝廷へ反逆していた。これが民衆を大変困らせていると知った彼は悪勢と戦った。
悪勢は神通力を呼ばれる神秘的な力を用いて葉向かってきたが成敗され、山々に包囲されてしまい焼死した。
残された悪勢の娘も、ヤマトタケルの軍勢に追い込まれ自害した。彼女の従者も後を追った。
すると、従者の魂は石に変化し、その上には花が咲いたという。
それからこの石のことを「花咲石」といった。
その後もたびたび悪霊は祟りを起こした。しかし、石神を祭ると治まったと言われている。

欧米

ヨーロッパ諸国では、古来から日本で考えられているような「悪霊」という概念はなかったようだ。
キリスト教では「悪魔」についての記述があり、これが我々のイメージする悪霊に最も近い。これは、一神教と八百万信仰における発想の違いから想起されたと考えられる。
一般的には、天使が享楽に溺れ堕天使となりさがったもの、ないし自然霊が変化したもの、精霊的な存在を指すことが多い。「悪魔」と同義だと考えてよいだろう。
ただ、「悪魔」は悪霊のトップに立つ者で、悪霊はその手下たちだ、という分類もあるようだ。
元が神の使いという存在であるために、やはりそのパワーは非常に強いと言われている。
主な堕天使(悪魔)を以下に記す。
・ルシフェル
・アザゼル
ただ、近年では日本のような悪霊の存在をイメージしている物語や映画なども多数制作されている。新たな観念として受け入れられているのかもしれない。

インド

インドで多くの人に信仰されているのはヒンドゥー教である。
これも日本と同じ多神教の一つである。
ヒンドゥー教の3大最高神のひとりに「シヴァ神」と呼ばれる神があるが、この起源は悪霊だという説がある。
シヴァ神とは破壊の象徴で、当初は異端の神として恐れられていた。
神話では、獣の毛皮を着て蛇を首に巻き、槍を持って、大地で荒々しく暴れていたと記載がある。
彼の怒りに触れると、森の獣たちは暴れ、大地は揺るぎ(地震?)海は荒れ狂ったと言われている。いわば自然霊の一種だといってもよいだろう。

悪霊祓い

悪霊信仰と悪魔祓いの儀式は密接な関わりを持っている。
悪霊に憑依されると、ひどい頭痛などの霊障がみられるようになる。進行すると人格が変わったり、精神が崩壊するような事態にまで発展したりすることもある。
そのような時には、御祓いの儀式で除霊する。
独自の呪術、加持祈祷、禊、御祓いなどが、主に土着信仰の風習に従って行われていた。
このような習慣を持つ地域は、日本や中央~東南アジア、インド、中南米、アフリカなどが挙げられる。

悪霊-解説②

悪霊とは悪意を持った霊魂(※)の事を示し、人や社会に危害を与えたりする。
宗教により人の霊魂以外の神の天敵(※悪魔)の事を悪霊と言う事もある。
当Cult Webにある『霊の種類』で霊魂を様々な種類に分類しているが、その中でも悪意を持った霊の事を悪霊と言う事ができる。
また悪霊の逆で人に幸福を与える霊魂を善霊と言う。

善霊と悪霊の一例

憑依霊=悪霊:生きた人を利用し悪意のある未練を達成させようとする事があり、それが災いを招く事がある。
因縁霊=悪霊:復讐心を持った霊が多く人に災いする。
自縛霊=悪霊:この世で身動きの出来ない大きな苦しみを背負った霊であるため、人を巻き込み災いを齎す事がある。
守護霊=善霊:人を守り幸福の手助けをしてくれる。

《あ~お》の心霊知識