降霊術の起源は非常に古く、古代エジプトやギリシャ、ローマ、中国、インドなどの文明においても、死者と交信しようとする試みが存在していました。エジプトの『死者の書』には、死者の霊を呼び出し、助言を得るための儀式が記されています。
古代ギリシャでは「ネクロマンシー(死者の予言)」と呼ばれ、特にオデュッセウスが死者の霊と対話する場面が『オデュッセイア』に描かれています。ローマ時代には、降霊術は魔術の一形態とみなされ、しばしば禁忌とされました。
中世ヨーロッパでは、キリスト教の影響により、降霊術は「悪魔の仕業」として迫害の対象になりました。特に魔女狩りの時代には、霊との交信を試みた者が異端審問にかけられ、多くの犠牲者を出しました。
しかし、一方で錬金術師や秘教主義者の間では、降霊術は「真理の探求」の一環と考えられ、密かに研究され続けました。
19世紀になると、降霊術は「スピリチュアリズム」として広く普及しました。1848年、アメリカのフォックス姉妹がラップ音(物理的な音)を使って霊と交信したと主張し、大きな話題となりました。これを機に、降霊会(セアンス)が流行し、霊媒(ミディアム)による交信が頻繁に行われるようになりました。
20世紀には、科学的検証が進み、多くの降霊術の現象がトリックであることが明らかになりましたが、現在でもスピリチュアリズムやニューエイジ運動の中で信仰されています。
降霊術にはさまざまな手法があり、目的や文化によって異なります。
霊のメッセージを受け取るために、ペンを持ち無意識のまま書く方法です。霊能者や信仰者が実践し、しばしば不思議な文章が記録されることがあります。
アルファベットや数字が書かれた板を使い、霊の意思を読み取る方法です。日本では「こっくりさん」が有名ですが、海外ではウィジャボードと呼ばれ、遊び半分で行われることもあります。
霊媒師を中心に、数人が円陣を組んで霊を呼び出し、交信を試みる儀式です。ラップ音や物の移動といった心霊現象が起こることもあります。
降霊術の一種として、夢の中で霊と交信する方法があります。これは夢見(ゆめみ)や夢告(むこく)と呼ばれ、宗教的儀式の一部として扱われることがあります。
霊視は、霊の姿を直接見ることを指し、霊聴は霊の声を聞くことを指します。特別な能力を持つ霊能者のみが可能とされることが多いです。
・自己暗示: 霊を信じることで、実際に霊の声を聞いたり、幻覚を見ることがあります。
・期待効果: 霊が現れると信じていると、通常では気にならない現象を「霊の仕業」と解釈することがあります。
・ラップ音現象: 家の木材の膨張・収縮、空気圧の変化などで説明できることが多い。
・自動書記: 潜在意識が作用し、無意識に書いていることが証明されています。
・ウィジャボード: 「イデオモータ現象」と呼ばれる無意識の筋肉の動きが関与しているとされています。
降霊術を試みたことで恐怖心や不安を感じることがあります。精神的に不安定な状態のときは、行わないほうが良いでしょう。
一部の霊媒師や占い師が、詐欺行為として降霊術を利用するケースもあります。高額な料金を請求されたり、恐怖を煽られる場合は注意が必要です。
降霊術を行った後、日常の些細な出来事を「霊の影響」と考えてしまい、生活に支障をきたすことがあります。