真霊論-高次元意識体

高次元意識体

高次元意識体とは、人間より明らかに高度な霊的成長、もしくは霊的進化を遂げた存在で、かつ、人間に対し様々な示唆、教え、叡智を授ける存在の総称である。
高次元意識体は、すでに物理的な肉体という器の拘束から進化した次元(アセンションの完了した次元)に存在するとされ、よってその体は「光体(ライトボディ)」等とされる。
この高次元意識体という言葉は、1990年代以降に世界中でブームとなったニューエイジ運動の中の「チャネリング」で頻繁に使われるようになった、一種のチャネリング用語である。
「チャネリング」とは、意識による交信・情報収集であるが、この際にチャネラー(受信者)が、自分のソース(チャネリングしている相手)を指して、「高次元意識体」と称することが多い。
しかし、どういうソースを高次元意識体とするかについては、明確な定義づけはない。
従って、例えば、シリウスやプレアデスといった物理的惑星に住むとされる異星人の意識体であっても、それを高次元意識体と呼ぶ人もいる。
また、遥か彼方の宇宙ではなく、地球内の見えない次元に存在し、地球人の霊的成長をサポートするとされる「アセンデッド・マスター」と呼ばれる意識体を総称して高次元意識体と呼ぶ人もいる。
多くの場合は、そのソースが自らの言及によって、ソースの存在次元が「6次元以上の異次元」などと明かされた場合、そのソースを高次元意識体と呼ぶことが多い。

主な高次元意識体

ではこれまでニューエイジ、神秘学等ではどのような高次元意識体が登場しているのか、その主だった存在を挙げてみよう。
●アセンデッドマスターたち
人間の霊的成長をサポートするとされる存在たちである。
すでに肉体は無く、意識体として交信が可能とされいる。
イエス・キリスト、仏陀、エル・モリヤ、クート・フーミ、マイトレーヤ、聖母マリヤ、聖フランシスコ、聖ジャーメイン、サナト・クマラ、ヨガナンダ、セラピス・ベイ、ジュワル・クール等。
●異星人の意識体
別惑星の住人とされながらも、人間より高度に進化しているとされるチャネリング・ソースたちである。
バシャール(エササニ星)、ラー(高度に進化した魂の集合体)、セント・ジャーメイン(プレアデス/アセンデッドマスター説もある)等。

神智学とアセンデッドマスター

ニューエイジにおける高次元意識体の雛形を使ったのは、マダム・ブラバツキーが創始した「神智学」における「アセンデッド・マスター」という概念である。
アセンデッドマスターとは、神智学の教義で「古代の知恵の大師」という意味である。
また「アセンデッド」とは、アセンしションしたを意味し、すなわち「肉体次元を卒業した」ということである。
肉体次元を卒業とは、多くの場合、死を想起させる。
しかしアセンデッドマスターたちは、肉体の死の後、次元にとらわれない活動を行う使命を担うのである。
それが、後進の霊的成長のサポート、守護である。
神智学が想定したアセンデッドマスター=高次元意識体には、主に以下の存在たちがいる。

●クート・フーミ
クート・フーミは人類の高レベルな意識への進化を監督するスピリチュアル・ハイアラーキー、グレート・ホワイト・ブラザーフッド(聖白色同胞団、大白色聖同胞団)のメンバー。
「知恵の第二光線」のマスターで「Ascended Master Teachings」という団体に属し、イエスと共に「世界の教師」である。
神智学信奉者の間では、クートフーミはかつてピタゴラスとして肉体をもったと信じられている。
クートフーミと実際に会ったというアリス・ベイリーによれば、それは1895年の6月30日のことであり、ヨーロッパ風の服を着て、ヨーロッパ人ではない民族の、ターバンを巻いた男が現われたとされている。

●エル・モリヤ
クートフーミと同じくグレート・ホワイト・ブラザーフッド(聖白色同胞団、大白色聖同胞団)のメンバー。
ブラヴァツキー夫人は彼らから宇宙の原理を教えられたと主張した。
物質化によって彼らから渡された手紙だという『マハートマー書簡』や、モリヤとクートフーミ、そして同じく神智学で特別視されるサンジェルマン伯爵(セント・ジャーメイン、ラコーツィ)が夫人と一緒に映ったとされる証拠写真も存在している。

ニューエイジにおける高次元と低次元

こうしたニューエイジ文化の中の「異次元」とは、4次元以上の空間領域を漠然と指すものであって、物理化学的根拠等を伴うものではない。
その定義をあえて言うのであれば、物質的な肉体を持つ人間を3次元存在として、そこに近い存在が「低次元存在」であり、遠ければ遠いほど「高次元存在」ということになる。ここでの遠近とは、低次元存在ほど、人間との接点が多いことを意味する。
つまり、何かしらの形でコンタクトをし易く、また、物理的現象も起こしやすいことになる。
一方、高次元であるほど、物理的な接触等はできないため、「意識」だけが人間と共通の通信手段ということになってくる。
この意識を用いた通信において重要なのは、「周波数帯」「アンテナの感度・精度」ということになってくる。
ニューエイジにおいては、高次元存在になればなるほど、その意識体が発する信号は繊細になるため、受ける人間の意識も霊的な進化が必要などとされる。
従ってニューエイジにおいては、高次元意識体を受信できるということは、その受信者もかなりの霊的成長もしくは精神的な完成度が高い人間、ということを意味している。

ニューエイジにおける超科学

チャネリングなど、現象として起こる事実を科学的な根拠によって解明しようとする人たちもいる。
それらの人々が用いるのが、量子物理学の先端理論とされる「超ひも理論」の部分的な利用である。
「超ひも理論」において、宇宙の誕生時には、10次元までが存在したと推論できる。
また、異次元との接触は、「重力」のみが可能であると考えられている。
こうした物理理論を部分的に引用すれば、「意識」が重力を媒介とするものと仮定をすれば、人間がチャネリングなどの意識的行為によって、高次元とのコンタクトが可能になることの仮定が裏付けられるわけである。
こうした現代の科学理論と推論によって考察されるニューエイジ科学は一般的に「超科学」と呼ばれる。
しかし正当な科学論者たちからは「エセ科学」と一蹴されてしまう。

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