六星占術(ろくせいせんじゅつ)とは、占い師・宗教研究者である細木数子が中国の万象学、易学、算命学、その他を独自に編纂し考案したとされる占いである。
ただその内容は、四柱推命や算命学・0学占い・天中殺など既存の占いがたくみに混合されており、細木のオリジナルであるとはいいがたい。
大きな特徴に、四柱推命でいう「空亡」の期間を全て「殺界」と名付け、悪運期と捉えたことが指摘できるだろう。「小殺界」「中殺界」「大殺界」など悪運期のランク付けも行った。
元来の算命学における「空亡」期とは、自分の持つ基本的な性質・運命から離れてしまう時期のことを言う。従って一概に悪い機運とは断言出来ないのだが、「いつもの自分ではなくなる」という状態を「悪」とし、幸運期と対立させることで大衆性を持たせた。また、悪運期を明快に作る事で不安心理を呼び、ますますこの占いに依存させるという要素も少なからずあるようだ。
成立当初、六星占術は数ある占いのひとつに過ぎなかったが、特許を取得したことで、ビジネスとしては大成功を収めた。現在でも本や携帯サイトなどの利用者数はかなり多い。
後に、細木が新興宗教の「大国教会」(現:亘徳)で学びを受けた事によって仏教や神道の影響を色濃く受けた内容に変化した。大国教会は元は墓石店でもあり、六星占術とタッグを組み金儲けをはたらいてトラブルを起こした過去もある。
六星占術では「運命数表」という自称独自(四柱推命や0学に酷似している)の統計学に基づく乱数表からその人の運命を表す数字を割り出す。これは生年月の干支を数値化したものだ。そこに誕生日を合わせて、「運命数」という個人の数値を算出する。最大値は60で、超えるとそこから60を引いて計算する。
運命は、「土星、金星、火星、天王星、木星、水星」の6つの運命星に分類され、名称はそれぞれに「?人」とつけて表現する。
また、全ての運命星にはプラス(+)とマイナス(-)があり、生まれた年が子・寅・辰・午・申・戌の人はプラスとり、丑・卯・巳・未・酉・亥の場合はマイナスとなる。これを運命星の後ろにつけて土星人(+)などと呼ぶ。これは十二支の陰陽から判断していると推測される。また、
プラスの人の方がマイナスより運気は強いとされる。
生年が「大殺界」(空亡)である人のことを「霊合星人(れいごうせいじん)」と呼ぶ。霊合星人は自分の基本の運命星だけでなく、裏に持つ運命星の影響を受けるとされる。例えば「土星人の霊合星人」なら天王星人の運気も併せ持つ。一般的に、ふたつの運命を持つことから内面が複雑で変わりものの人が多いとされる。
霊合星人は以下。
土星人(+):戌年生まれ
土星人(-):亥年生まれ
金星人(+):申年生まれ
金星人(-):酉年生まれ
火星人(+):午年生まれ
火星人(-):未年生まれ
天王星人(+):辰年生まれ
天王星人(-):巳年生まれ
木星人(+):寅年生まれ
木星人(-):卯年生まれ
水星人(+):子年生まれ
水星人(-):丑年生まれ
上記に当てはまる人は合わせて以下の星運も観て判断する。
・土星人⇔天王星人
・金星人⇔木星人
・火星人⇔水星
干支数値と基本性格は以下の通り。
【土星人(1-10)】
責任感が強く実直な性格で、高い誇りと理想をもつ。潔癖症の人もいる。孤独に耐える力があり、カリスマ性を持つタイプ。宗教家、政治家などに多い。
霊合星人 (+):戊生まれ (-)亥生まれ
【金星人(11-20)】 社交家で、ひととのコミュニケーションが苦にならないタイプ。またセンスもよくアクティブな一面を持つ。恋愛では束縛を極度に嫌がる。運動神経がよく、スポーツマンに多い。
霊合星人 (+):申年生まれ (-):酉年生まれ
【火星人(21-30)】
独自の感受性を持ち、個性的。人を裏切ることが苦手で、頭もよく切れるタイプ。プライドはかなり高い。繊細な芸術家肌で、作家や音楽家、俳優に多い。
霊合星人 (+):午年生まれ (-):未年生まれ
【天王星人(31-40)】
愛情深く、家庭を大切にする。平和主義者で、分け隔てなく人と付き合うことができる。だが少しルーズな一面もある。タレントに多い。
霊合星人 (+):辰年生まれ (-):巳年生まれ
【木星人(41-50)】 真面目で几帳面。地道で、なにごともコツコツと努力し成功まで粘る。石橋を叩いて渡る慎重なタイプ。だが二面性があり腹の中には激情があることも。医師、弁護士、翻訳家に多い。
霊合星人 (+):寅年生まれ (-):卯年生まれ
【水星人(51-60)】
華やかな印象を持ち人を惹きつける。冷静沈着で、クールな視点から世を見る。やや利己的で、自分の思い通りに物事を進めたがる一面も。水商売を営む人に多い。
霊合星人 (+):子年生まれ (-):丑年生まれ
運命星を割り出したら「占命盤」で運気を読む。占命盤とは、時計のような形をしており、それぞれの星運により配置が異なる。四柱推命を参考にしたと思われる流れに基づき、12年周期の運気を読みとく。
流れは以下。語尾のカッコは霊合星人が同時に内包する運気。
・種子(しゅし):種まき期。物事を始めるのに適した年。〈⇔再会〉
・緑生(りょくせい):すくすくと成長する時期。ただしまだ運気は強くないので、失敗することもままある。〈⇔財成〉
・立花(りっか):開花期。進路や仕事など、人生の指針、方向性が決まる時期。大切な期間だが、殺界期は悪運が強くなる。〈⇔安定〉
・健弱(けんじゃく):小殺界:健康や経済的な部分にダメージが起きやすい。ただ回復も早い。〈⇔陰影(大殺界)〉
・達成(たっせい):目標にしていたことや夢・願望が叶えられやすい時期。〈⇔停止(大殺界)〉
・乱気(らんき):中殺界:躁うつ気味で、精神的に余裕がなく落ち込みやすい時期。平身低頭に行けば無難。〈⇔減退(大殺界)〉
・再会(さいかい):収穫期の始まり。新たなスタートを切るのならこの時期。汚名返上も期待できる。〈⇔種子〉
・財成(ざいせい):経済的・精神的に恵みがもたらされる時期。自分の信念に従って進めば障害はない。〈⇔緑生〉
・安定(あんてい):今までの収穫を楽しむ時期。現状維持がベスト。新しいことを始めると次年から苦しむ羽目に。〈⇔立花〉
・陰影(いんえい):大殺界。新しく物事を始めてはいけない。本来の自分と真逆の行動を取ることで運気のバランスが取れる。〈⇔健弱(小殺界)〉
・停止(ていし):一番の大殺界。八方ふさがりと感じることも。余計にもがくことなく、大人しく過ごすのが吉。〈⇔達成〉
・減退(げんたい):大殺界の終わり。大殺界最後の年。気分はだんだん晴れてくるがまだ油断は禁物。この年に事故・病気で亡くなる人が多いので身辺には十分な注意が必要。〈⇔乱気(中殺界)〉
宿命星とは、占命盤とは別の流れで、10年ごとに変わる宿命を指す。
一般的には占命盤のみで占われる事がほとんどだが、宿命星と占命盤のふたつを合わせて占断するとより正確さが増す。
これも、干支を数値化した乱数表(運命星を算出するものとは別のもの)を元に計算する。
占命盤で読むバイオリズムとは違い、大切にするとよい感覚、思考などを紹介している。
10年ごとの宿命星の運気は以下の通り。
静雲星 :ロマンチックな出来事を大事にしたり、空想力がアップしたりすり。反骨心が強まり、孤独が苦にならない。感受性も高まる。
光美星 :コミュニケーションの星。人に物事を的確に伝えるのが上手くなる。器も大きくなるので慕われる。
妙雅星 :自分の置かれた立場を大切にすることで運気が開ける。根回しなども上手くいき、協調性が豊かになる。言葉に説得力が増す時期。
白照星 :やや頑固になりがちだが、その強い意思を生かすことが大切な時期。マイペースに突き進むことで物事を成し遂げ成果をあげる。簡単に折れないたくましさが宿る。
香創星 :祖父母や古典的な伝承など、先人の知恵・知識に学びを得る時期。それを後世に受け継ぐ役目を与えられやすい。愛情深く、周囲に優しくなる。
火竹星 :好奇心旺盛で、知的なことや知らない事象を貪欲に吸収したくなる。自由を愛する時期。クリエイティブなことに惹かれる。
大木星 :仲間と行動することを好む時期。アグレッシブに突き進むと上手く行く。責任感も強まるため、自然と名声も手に入れやすい。
風行星 :エネルギッシュに活動できる。個人行動が吉。多少荒れた場の方が力を発揮しやすい。競争を好み、最終的に勝利し天下を取る機運。やや短気になりがち。
大善星 :落ち着きを見せる時期。老成の星なので、後半に芽が出やすい。家庭を大切にすると運気は上がる。貯蓄に向く。
緑水星 :財運が上がる。株などの回転財が適している。また恋人や子供などからたっぷり愛情を受けられる。義理堅く行動すると吉。