霊魂学とは、霊と霊的世界についてを体系的、かつ論理的に分析し明らかにしていこうという学問である。
そのアプローチ方法は学術的であり、学んでいる人たちは科学的な学問という意識で行っている。
ただし、現状では科学的な学問のジャンルというよりは宗教の一つというような認識をされているようだ。
一般的に、宗教というジャンルは原理主義的であり、科学的には根拠が定かではない、宗派ごとの「教え」が前提になっている。霊的世界についてのアプローチも同様だ。
それに対して霊魂学は、原理原則が元々定められているわけではなく「霊的世界における真理とは何か」をひたすら探求していく。これは科学や、その他の学問を学ぶのと同じ態度である。
例えば、神は本当に存在するか、祈りが霊的世界へ届けられる仕組みはどのようなのものか、逆に霊からの言葉が人間へ与えられる際の仕組みなどについてを様々な方法で探求し、真実を明らかにする、というものだ。
これを端的にいうと「現時点ではこれが真実と思われているが、新たな真理が発見されて反証される可能性がある」ということにつながる。
科学が過去の定義・定理を否定して新たな学説を生み出してきたように、霊魂学も真理を優先するため今後の変化へ対して柔軟性を持っている。これが宗教との大きな相違だ。
その他、霊魂学には宗教における戒律・規律も存在しない。
しかし、真理を学ぶ際に用いられる方法が、「神霊や高級霊などにアクセスして聞く」というものであるために、多義的にみた際、科学的客観性がないと思われている。ゆえに、宗教に近いと考えられてしまう。
もちろん、霊的世界や霊魂、神的存在を証明するために、霊魂学や日々進化している。しかし霊が科学的に証明出来てない現時点では、霊魂学は主観的であり宗教の一種と捉えられているのである。
近代霊魂学の始祖は川面凡児と言われている。以下に略歴をあげる。
・川面凡児
(1862-1929)
明治-大正時代の神道家であり、日本における霊魂学の始祖である。15歳で大元山にて修行をし、神伝を授受した。1906年に「大日本世界教稜威会」を立ち上げ、今までの神道とは一線を画した霊魂学を提唱し、普及に努めた。
また、現代では様々な人が霊魂学を学びアプローチしている。
神道や仏教出身者が多いようである。
霊魂学において学ぶ内容は以下のものが挙げられる。
・霊 魂について
人間の本来の姿であり、現世で生きるためのあらゆるエネルギーや思索の源泉。霊的には、人間の本質と考える。
・霊的世界と階層について
霊的な世界には厳然たる階層があり、霊体のレベルによって行き着く世界が異なる。
現時点で明らかにされているものは、上から、
神界 、神霊界 、高級霊界 、高級幽界 、上層幽界 、物質界(現世)、低級幽界 、地獄界
の8段階と考えられている。
・身体と霊魂について
全ての人間の肉体の後ろに重なるように存在する霊的な存在。
幽体、霊体、神体の3種類が明らかにされている。
・幽体について
死んだ直後に身体として使われるものと考えられる。
肉体が死を迎えると、魂はまず幽質界(高級幽界・上層幽界・低級幽界)へと進む。個人差はあるが一定期間を経て霊体へと変容していくと言われている。
・霊体について
高次にある霊的な存在のこと。幽体が一定期間を経て変化するか、霊的な修行を積んだ人が得られる魂とみなされている。
次元は高級霊界に位置している。
・神体について
神霊のみが持つと言われる、あらゆる霊的存在の中でも最高級の霊体。
イエス=キリストや仏陀、その他宗教の伝道者などといった、厳しい宗教的、及び霊的な修行を乗り越えたもののみが獲得できるとされる。
・オーラとオーラカラー
あらゆる生命体が持つ、幽体、霊体、神体から発せられている光とカラーのこと。
色や発光する形、状態などによって魂の霊的段階が判断できるとされる。
・間気(かんき)
現世の身体と幽体をつないでいる気のこと。
その性質は半分が物質で出来ており、半分は幽体と同じ成分である。柔らかい糊のようなイメージで、幽体と身体が離れないようにするために存在している。
・幽気
現世と幽質界を満たしている気のようなもの。また、各人が持つ幽体の中にもある。幽体内を満たす気、エネルギーでもあると考えられている。
・過去世と来世について
魂が現世に生まれ落ちて死に、霊界へ赴いてから地上へ生まれ変わる過程についてを探求する。
過去世によって現世が決まり、今の行いや霊的段階によって来世の行く末が決まると考えられている。
・守護霊、指導霊について
守護霊は高級幽界より派遣されている霊と言われている。生涯において一貫してその人を導き守り、学びを与えるしようとする霊。
指導霊は高級幽界から派遣され、その人が現世的に学びたい、成長したいと思う特定ジャンルについてより専門的に導く霊。指導霊は人生のいろいろな局面で、入れ替わることがある。
・霊的成長、修行やトレーニングなど
今持っている霊魂を成長させるための修行方法を探求し、実践すること。