霊夢とは、さまざまな霊魂からの影響を受けて見る夢のことである。
人生におけるヒント、生きる希望、また災害予知などを教えてくれるような良い夢から、憑依やいたずらをしてその人を陥れる内容のものまで、その幅はとても広い。
守護霊や神霊・天使などの高級霊、土地にまつわる精霊、よき先祖霊などが関わるものを指す。
本人の人生でこれから起こることの予知、またした方が良い行動・逆に避けるべき言動について示唆するストーリーが展開される。またパワースポットなどに旅へ行くと、その土地の精霊が霊的な力を分ける形で、夢を見せてくれる場合もある。
普段、起きれば忘れてしまうのが夢というものだが、霊夢の場合は、起床後もその内容や象徴された物・事柄などな鮮やかに記憶されるのが特徴だ。
その他、人によっては社会現象や天災などを暗示する予知夢が、格の高い霊魂や善霊からの意思として伝えられる。
彼らのメッセージの伝え方はある意味とても文学的だ。はっきりと「○○だから××せよ」と語られることはまれである。事象を何か違うもの、人物、風景、数字などに置き換えたり例えたりして比喩的に伝えられることが多い。だから、霊夢を読み取る側にもある程度の感受性と知恵が必要なのだ。
心理学者のフロイトやユングは、夢のメッセージを読解する手段として「夢判断」を確立させた。彼らは夢を科学的視点から捉え、分析した。そこには日常では知覚されない重要な個人的無意識・あるいは集合的無意識が表現されており、それを読解することで己を深く知る手立てになるのでは、と考えたのである。
霊的な視点から見ると、睡眠時の無意識状態では、全ての人間が幽体離脱をしている。魂は社会や常識から解放されるため、本来の姿に戻りやすく霊感も冴える。すると現実にこだわる事なく、誰もが過去や未来、己の本質などについてインスピレーションを受け取りやすくなるのだ。したがって、夢判断に霊夢をかみ砕くヒントは大いにあると言えよう。
ただし、象徴される物象・比喩内容には個人差があるため、一般的な解釈が全ての人に当てはまるとは言い切れない。
気になる夢は、信頼できる霊能者に相談すると、より確実にメッセージを受け取れるだろう。
悪霊に憑依されたり、浮遊霊などにイタズラをされたりしたとき、霊夢を見させられることがある。
記憶に残りやすいのは良夢と同様だが、メッセージは比喩でなく直接的に伝えられることが多いようだ。その方が簡単に憑依者をだませるからである。
「○○しないと不幸になる」とか「○○するだけで幸せになる」など、脅しや安直な快楽に導くようなものが中心となる。
ただし、悪夢は熱帯夜や風邪などで身体感覚が悪化したとき、単なる日頃の思い込み、また精神疾患の現れにより見ることが圧倒的に多い。
しかし目が覚めた後に具合が悪くなった、または一日中気分が優れなかったという夢を繰り返し見るようなら、早めに霊能者に相談すべきだ。その際、高額請求をしてくるインチキな者にはくれぐれも気をつけて欲しい。