真霊論-霊感商法

霊感商法

霊感商法とは、悪徳商法の一種で、ありもしない霊障や、祟り等を巧妙な話術を使いその相手に伝え、恐怖心を煽り、高価な壷又は印鑑、御札、石などを売りつける商法である。
また、本来一度で解決できる除霊を厄介な霊で長期間の除霊が必要などと言い、継続的に除霊料等を支払わせ続ける行為等も霊感商法と言える。(霊視商法)

霊感商法-解説②

霊感商法とは、霊能者や宗教団体(新興宗教含む)等と自称する個人もしくは団体が、霊的な観点からの助言や断定的な言明などによって、相手(相談者、訪問者、もしくは街中で声をかけた相手等)を心理的な不安に落とし入れ、その不安解消方として、鑑定や何かしらの行為、物品購入等を勧め、結果として多額の金銭搾取を目的とする悪徳商法である。多くの場合、霊感商法とは、相手を不安に陥らせてその解消法と称し、何かしらの「物品購入」をさせる悪質商法を指す。同様に相手を不安にさせ、「私の除霊を受けなさい」などの言動により、「鑑定料・祈祷料・除霊料」等を支払わせる商法を「霊視商法」と呼ぶ。また、金銭運や恋愛運が上がる等の触れ込みで、物品等を不当な値段で販売することを「開運商法」と呼ぶ。いずれも霊感商法の範疇と考えていいだろう。

霊感商法の主な手口

1)街中で「手相を拝見させて」などと声をかけてくる
街中で「手相を見てあげる」等の声をかけてくる場合、多くは新興宗教団体等の勧誘である。この段階では、「ちょっと気になる点があるので一度、ここに来ないか?」などと拠点へ誘い出すのである。その後は、相手を不安にさせて団体等へ入会させるか、物品等の購入をさせるか、など金銭的な失費を目的とした言動を取るのである。こうした街中での声かけにはさまざまな手法がある。中には「もれなくプレゼントがあります」などと、おいしい話をチラつかせるケースもある。しかし、街中の声掛けにおいしい話などは無い。とにもかくにも、街中での声掛けに対しては無視を決め込むのが最善策である。

2)宗教団体等での霊感商法
これまでも統一教会などは数々の霊感商法行為を行い、多くの裁判沙汰になる事件を起こしてきた。その被害者になってしまう人というのは、だました側の会員の「知り合い・縁者」である人物が最も多いという。被害者本人はその宗教にはまっていなくても、友人や知り合いに誘われてとある会に参加し、そこで「あなたはこれを買わないとご両親が大変なことになる」などと霊感商法を持ちかけられてしまうのだ。この場合、その団体に知り合いなどがいなければ、そんな言葉も信用しないで被害を受けずに済むであろうが、知り合いや友人などが団体にいると、「まさか知り合いが一緒になって自分を騙すはずが無い」、などと思ってつい騙されてしまうのである。宗教の中には、「献金が信仰の証」という団体が多数ある。こうした団体に属しているのであれば、相手が知人や友人であろうと、警戒して接することが最大の防御となる。

3)霊能鑑定所等での霊感商法
スピリチュアルなことに関心がある人や、また、悩み事を霊能者やスピリチュアルカウンセラーなどに相談する場合は、比較的、霊感商法に会いやすくなるので注意が必要である。被害に会いやすいケースとしては、「相談料・祈祷料」等、最初の窓口はさほど高額ではなくリーズナブルな料金設定にしているケースが多い。しかし相談(もしくはカウンセリング)中に、「霊的な問題解消に必要だ」等の助言により、かなり高額な物品購入をさせようとしたりすることがあるので注意が必要である。また、除霊等の場合、「最低でも20回通う必要がある」等、強引に相談・祈祷等を継続させようとするケースもある。

4)恋愛運・金銭運がアップする物品
アクセサリー、財布、実印などを「恋愛運や金銭運が驚くほどアップする」等の誘い文句で販売している会社が多数ある。中には「本物の霊能者が祈祷した物品」等と偽っているケースも多い。こうした商品は、さほど特別製でもないのに法外な料金であることが多い。これらも霊感商法の一種である。

霊感商法と霊能力に関する注意点

日本に限らずこれまで霊感商法を実際に行った犯罪者には、まったく霊感などないインチキ霊能者も多数いる。こうした場合、被害者の方でも相手のインチキ行為がばれやすいため、比較的早い段階で自分がだまされていることに気づける。そのため、被害額も多額にならず、早期に訴訟等の対応に当たれる。しかし一方で、中には実際に霊感があると思われる者や、聖者まがいの超能力を有していた者もいたのである。こうした「能力は本当にある」といった人物と出会い、かつ、その人物が霊感商法にも手を出していると、その人物への信仰心もしくは信頼が生まれつつあるだけに、なかなか自分がだまされていることに気づけず被害が大きくなるケースがあるので要注意が必要である。

霊感商法の背景

霊感商法は大きく二つの背後関係が考えられる。一つは、資金調達に躍起になっている新興宗教、もしくはカルト団体である。こうした団体は、占い所、スピリチュアル関連スポットなどの経営にも乗り出し、あらゆる機会を狙って霊感商法による不当な高額利益をむさぼろうとしているので注意が必要である。もう一つの背景には、暴力団などが高額な「開運グッズ」販売等を資金源としているケースである。いずれにせよ、「不当に高額な申し出には絶対に同意しない」ということを肝に銘じておこう。

霊感商法 事件簿

●除霊詐欺事件
8被告に有罪 地裁判決 (中日新聞)2003年09月18日(木)
「悪霊がついている」などと言って除霊名目で金をだまし取ったとして、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の罪に問われた鎌倉市山ノ内、無職小松美恵子(46)ら八被告の判決が十七日、横浜地裁であった。
田中亮一裁判長は「不安な心理状態につけ込んだ巧妙かつ悪質な犯罪で組織性も明らか」として小松被告ら四人に懲役三年、執行猶予五年、小松佳代子被告(22)に懲役二年六月、執行猶予四年、萩原俊行被告(33)ら三人に懲役二年、執行猶予四年(求刑懲役四年-二年六月)を言い渡した。
主犯格の鎌倉市梶原三、無職宮崎俊一被告(55)も同日、判決予定だったが、前日に弁護人が辞任。新たに弁護人を選任して再び審理を行う。
判決によると、小松被告らは祈とう師役や勧誘役などに役割分担し、二〇〇〇年十二月から昨年二月までの間、横浜市や東京都などの駅やスーパーで通行人に「悪霊がついている。除霊しなければ二、三日で死ぬ」などと声を掛け、鎌倉市内などの祈とう場に案内。四十七人から計約三千七百万円をだまし取った。

●自称霊能師グループの手口と正体 「テニスルックで“キャッチセールス”」
「背中に女の人の霊がとりつき、首を絞めています」「霊を取りはらわないと、あなたの足がなくなるか3日以内に死にますよ」――JR東神奈川駅などで通行人にこう声をかけ、悪霊払いの名目でベラボーな祈祷料を巻き上げていた自称霊能師のグループが21日、神奈川、千葉両県警に逮捕された。
捕まったのはグループを主宰する宮崎俊一(55)ら男女9人。“悪霊ネタ”で鎌倉市の山の中の一軒家にある祈祷所まで連れていく手口で、3万円前後から100万円を超えるカネをだまし取っていた。病院に通院している人に「病気の原因は悪霊」と言ったり、妊娠中の女性に「おはらいをしないと死産になる」と声をかけカネを取っていたケースもあったという。
関東エリアだけでなく大阪や名古屋にも出張。駅周辺のホテルの一室を“臨時祈祷所”に仕立て上げ、1700人から1億5000万円をだまし取ったとみられている。捜査関係者が言う。
「宮崎は『伊集院あずさ』を名乗り、『川でおぼれ死にそうになったときに霊能力が芽生えた』『善意の行いが批判され心外』などとうそぶいているようです。ほかの8人は“弟子”と呼ばれ、勧誘役、鎌倉市内の祈祷所の案内役、受付役などと役割分担を決められていました。21歳の女もいて、通行人に声をかける勧誘役は、テニスルックだったり、小脇にバイオリンを抱えて練習の行き帰りを装い、犯行を重ねていました」
霊感商法はどんどん悪質になっている。(日刊ゲンダイ)

●開運ブレスレット、購入者に高額祈とう 
asahi.com(朝日新聞社)2009年8月28日
開運ブレスレットを身につければ願いがかなうと誇大に広告していたなどとして、経済産業省は27日、神戸市の通信販売業者「 日開堂 」「 宝招院 」「 ROXY 」の3社に対し特定商取引法に基づき、勧誘などを3~6カ月間禁じる業務停止命令を出した。
同省によると、3社はいずれも神戸市内の同じ会社が実質的に経営。日開堂は雑誌の広告で「7日以内に開運しなければ全額返金させていただきます」と誇大に宣伝し、念願水晶と称するブレスレットを1個2万5千~4万8千円で販売していた。
魂に邪気がついているという趣旨の手紙を送り、顧客が電話をすると、「このままでは子供に悪いことが起きますよ」と困惑させ、30万~50万円で邪気払いをするよう求めることもあったという。

●統一協会による霊感商法被害相談は2009年だけで1100件、37億4000万円
【赤旗 2010年03月20日】
統一協会による霊感商法被害相談は2009年だけで1100件、37億4000万円に達することが、全国霊感商法対策弁護士連絡会の調べでわかりました。19日に岐阜市で開いた第51回全国集会で報告しました。
「霊界の先祖因縁」などで不安をあおり、高額の商品を買わせたり、献金をさせるのが霊感商法。この1年余り、全国で刑事摘発が進んでいますが、被害金額は前年(37億3000万円)とほぼ同額という状況です。しかもこれは、被害に気付いて相談に訪れたものの集計で、実被害はさらに大きいとみられます。
同弁連東京事務局長の渡辺博弁護士は、「資産家の女性が突然、家を出て所在不明になる事件が目立っている」と報告。億単位の献金をしていることが家族に知られた直後に家を出ている例が多く、統一協会側による“信者隠し”ではないかといいます。
刑事摘発が進む中で、統一協会の自民、民主両党議員への接近工作が激しくなっているのも最近の特徴だと指摘。「十分な監視が必要だ」とのべました。
全国集会ではカープ(大学原理研究会)や壮婦部門に所属していた元信者らが証言。入信時代は組織内部の「人間関係」に魅せられて「居心地」がよかったことや、家族らの援助により「自分で考える環境をつくってもらったことで(統一協会の)誤りに気付くことができた」などの体験を語りました。
集会には弁護士、宗教者、信者家族ら130人が出席しました。

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