真霊論-臨死体験

臨死体験

臨死体験とは、交通事故や病気などで心肺停止状態もしくはそれに近い状態に陥った際に、霊体が自分の肉体を抜け出してしまい、その霊体の状態で何かしらの知覚・体験をした記憶を所有したまま肉体へ戻り生き返る現象を指す。
臨死体験者の多くは、例えば病室で重篤状態であれば、病室天井付近などで、自分の様子や周囲の人々の様子を客観的に眺めている等の体験をする。

臨死体験者の体験内容

臨死状態になり、肉体を抜け出た後の体験は、臨死体験者それぞれによって異なっているが、多くの場合、以下の2つのケースが多いパターンである。
1)その場の観察を始めるケース
その臨死状態となった現場(病室、事故現場等)の様子を観察している、というケースである。
多くの体験者は周囲にいる人間に声を掛けてみるようだが、もちろん相手からの反応は無い。
いわば、浮遊霊体験に近いものである。
臨死体験をした時間等の関係により、その状態の体験で終わる者もいれば、そこから先にさらに別の体験を積み重ねるケースもある。
2)霊界の入り口を訪ねるケース
臨死状態になった瞬間に、霊界の入り口とされる世界を探訪する体験例は数多く報告されている。
その多くは暗く長いトンネルを通過した後、川(三途の川)もしくは花園のような場所に出るそうである。
三途の川は、渡ってしまえば霊界に入ること(死ぬこと)を意味するため、臨死体験者たちは、この川は渡れない。
多くの場合、すでに死んだ身内などの霊と遭遇し、「戻れ」と指示をされるようだ。
そしてこの「戻れ」という指示を合図に、肉体に戻り意識が覚醒することが多いようである。

臨死体験に多い14のステップ

米国の著名な心理学者、レイモンド・ムーディ博士が臨死体験者150人の証言を基に、「臨死状態から生還にいたるまでまで14の過程」というのをまとめている。
それは以下のようなステップである。
1、自分の死の宣告が聞こえる
2、これまで経験したことがないような穏やかで愉快な感覚に包まれる
3、不思議な声が聞こえる。中には美しいメロディーという人も
4、突然暗いトンネルの中に引っ張られる
5、魂が肉体から離脱し、外部から自分の身体を観察する
6、懸命に自らの苦境を他人に訴えるが、誰にも聞こえない
7、時間の感覚がなくなる
8、視覚や聴覚が非常に敏感になる
9、強烈な孤独感に襲われる
10、周囲に様々な“人”が現れる
11、「光の存在」と出会う
12、自分の一生が走馬灯のように映し出される
13、先に進むことを遮られる
14、蘇生する
また博士によれば、死の直前には自分の一生に対する評価が下されるそうである。
その判定基準はどれだけ出世したかや金儲けできたかではなく「一生のうち自分がどれだけ愛やぬくもりを他人と共有できたか」になるという。

臨死体験で未来を垣間見る

臨死体験の内容は人それぞれであるが、中には過去や未来と、時間軸をタイムマシンのように移動した体験の持ち主がいる。
筆者が実際に会ってその体験を聞いた一人に、彗星捜索家として知られる木内鶴彦氏(1954生まれ)という人物がいる。
木内氏の2度に渡る臨死体験はとても特異であり、一方で、とても有益なものだったといえる。
なぜなら、木内氏はその臨死体験での記憶を無駄にすることなく、現在まで有効活用ができたからである。
最初の臨死体験は、木内氏が航空自衛隊にて運航管理者(ディスパッチャー)として勤務していた22歳の時である。
上腸間膜動脈性十二指腸閉塞という珍しい病気で、一度死亡を確認されるも30分後に蘇生した。
その際に臨死体験をしたのである。
ただし、医学的には「臨死」ではなく「死亡」である。この件について木内氏自身も「ですから私の場合、厳密に言うと臨死体験ではなく、志望体験なんですよね」と笑う。
死後蘇生したことが医師のカルテに記録されている例としては、国内で唯一という実に稀有な体験の持ち主なのである。
現実時間では30分の臨死時間であるが、この時間において木内氏は、過去や未来をさまざまに見てきている。
例えば過去においては、幼少の自分と親が山間の道を歩いている姿を、山頂の方から眺めていたそうだ。
その際、大きい岩の滑落が起こり、歩いている二人に大声で「危ない!」と叫んだそうである。
これは幼少期に実際に体験した出来事だったそうだ。
当時、幼少の木内氏は、この時に山頂の方から聞こえた「危ない!」という声をしっかり覚えていたと語っている。
ただ、その声の持ち主が未来において臨死体験する自分だったことは、その臨死体験によって初めて知ったことになる。
その一方、数多くの未来を見てきている。
この未来図は主に、環境破壊が進んだ日本や世界の様子だったという。
木内氏は現在、「太陽光を利用した炭素化炉システム」の特許を取得し、実証試験炉を建設中である。
このシステムが完成すると、画期的な環境に優しい燃焼システムが完成することになる。木内氏がこのシステムをはじめ、地球環境の保全・改善をライフワークにしたのは、こうした臨死体験で垣間見た未来図を恐れたことによる。
なぜなら、木内氏が臨死体験で見たいくつかの未来の出来事は、その後、次々に現実になっていたからである。
二度目の臨死体験は、昨年(2010年)のことだったそうだ。
中国で体調を崩し、胃からの出血によって臨死体験をした。
そして再び、未来を垣間見たそうだ。
朗報としては、22歳の時に見た未来の地球は、かなり破滅的なものだったそうだが、今回見た未来はより安心できるものに近かったそうだ。

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