これは私の体験談である。
自縛霊とは事故や自殺により死んだ人間が、その場所に縛られ、身動きの取れない霊の事を言う。
その多くの自縛霊は、死んだ事に気がつかずに、その場所で何度も自殺を繰り返したりする。
時に生きた人間の体を借りて自殺をしようとする者もいるため、大変危険な霊と言える。
私が中学校の頃、霊媒体質のため肝試しなどは決して参加しようとしなかったが、好きな彼女の前で「怖い」とは言えず、ただ一度だけ肝試しに参加した事がある。
よくある話と思うが、神奈川県のとあるトンネル内で起こる怪奇をこの目で見たいと始まったのである。
そのトンネルでは、毎夜3時に暴走族が通ると必ずその場所で死者が出ると言われている場所であった。
また、そこに過去の事故死者の残相が浮かび上がるというのである。
私たちも面白半分でその場所へ向かい、午前3時丁度に徒歩で一人づつトンネルを抜けることになった。
しかし一人目の男子がトンネルに入り、ちょうど中間付近にさしかかると悲鳴とともに彼が倒れこんだ。
驚いた皆は駆けつけたが、その変わり果てた姿に失神する者もいた。
彼は、車の通らないトンネル内で、痣だらけになり、頭から大量に出血しているのである。
慌てて、救急車を呼び病院に搬送されたが、やがて息を引き取りました。
警察に車が通っていない事を証言したが受け入れられず最終的に事故死として扱われたのである。
後で警察から聞いた話では過去にも同じような事件が何度もあったとの事。
決して遊び半分でこのような場所には行かない事である。