真霊論-除霊と催眠術

除霊と催眠術

ほとんどの除霊師、自称霊能者は催眠術を使い巧みに人の心や体をコントロールしている。
その他に洗脳による方法もあるが、洗脳の場合は時間がかかるため、まずは催眠をかけてから、徐々にその世界に引き込み洗脳していく。
除霊をするなどと言い、何度も同じ言葉を茫然と繰り返し唱えるようなお経の仕方をする霊能者はまず催眠を利用しているに間違いない。
一般的な催眠の方法で五円玉を振り子にして小催眠をかけるのと同じ方法で、繰り返し同じ言葉を並べ、同じトーンでお経を読み続けることで人間の脳は催眠に入っていく。
良くメディアで除霊などと言いお経を延々と唱え続ける映像が流れるが、まさにあれもこの手法である。
洗脳や催眠に掛かった人は、幻覚を見せられたり、自由に身体をコントロールされたりする。
その不可不思議な体験を続けるにつれ、その自称霊能者の力を信じ切り、多額のお金をその霊能者につぎ込んでいくようになる。
そのうちに、その霊能者の事しか信じれなくなり、大切な人やお金を失い、ひどい例では異性として恋愛感情を洗脳や催眠で植えつけられ、身体をも奪われます。
この世に出回っている霊能者の90%以上はそのような方法で商売をしているので注意が必要である。
本当に力のある霊能者は、無意味なお経など唱えませんので、催眠の事は知っておいた方が良いでしょう。

催眠術による偽物の除霊手口

催眠術による、偽物の悪質除霊術の手口を以下に挙げる。
1. 会話の中で、自称霊能者と除霊希望者の間に主従関係を作る
相談者は、これまでの人生において、恋愛・進路・仕事・家族関係・人間関係などの悩みを抱えているだろう。その不安や悩みを自称霊能者に打ち明けたり、怪奇現象と思っているもの(実際のところは9割方ただの自然現象)について相談したりする。
そこで、霊能者は「今まで、○○なことはありませんでしたか?」などのように、まず誘導尋問をする。ここから既に催眠は始まっている。
勿論、これはいわゆる「カマをかける」と言う方法だ。誰にでも当てはまりそうなことをいくつか質問し、ヒットしたものを広げていくという手法である。
例えば、「最近よく寝つかれず、睡眠中ラップ音のようなものが聞こえる気がする」と相談するとしよう。
こういうたぐいの者は、9割9分思い込みなのだが、自称霊能者はここに付け込んでいく。
そこで、自称霊能者は、「配偶者がかつて浮気をしたことはないか」と尋ねる。YESならそこで「その人の生霊が見える」等とでっちあげる。NOであれば、家族や先祖関係の話題に切り込む場合が多いようだ。「先祖に、不幸な亡くなり方をした人はいないか」等である。これは大概の人に当てはまる質問であることを覚えておいてほしい。もし、相談者が分からなければ、霊能者が強引に「私にはその人の霊が見える」と言うこともある。
たとえ、自称霊能者が問いかけたことに対して催眠をかけるのに都合のよい回答がなかなか出てこなかったり、疑い深い相談者のため、信頼を得られなかったりする場合は「憑いている霊が強力過ぎて、あなたは自分の本当の思いを口に出来ない状態になっている」と言葉巧みに誘導する。
こ不安心理を巧妙に利用して自分の霊能力を信用させる。この時点で、心理学における「錯誤帰属」が成立する。
自分が不安に思い、解決できなかったことへの原因を見抜いたように振舞うことで主従関係を作るのである。
ここから、本格的な除霊、もとい催眠術へと移行していく。
2.矛盾した指示を与える。
催眠(除霊)に入る際は、自称霊能者は、その場に緊迫感を与えるような演出をする。暗い空間を作ってろうそくの灯りだけともす、読経やそれらしい音楽を聞かせる、などがよくあるパターンである。
本物の霊能者による除霊の場合は、気楽な雰囲気で行われ意外なほどあっさりしている場合が多い。
また、この段階で「何も考えずに」などと言葉をかけるのはキーポイントだ。霊について解説をした後、除霊を始めるという流れの中で「何も考えるな」と言うのは大きな矛盾だろう。この言葉はむしろ、霊について考えろと言っているのと同じである。誘導尋問が続いているということだ。
3.相談者の意識を分断する。
相談者の意識と無意識を分け、催眠に入りやすい状態を作る。「仏(神)降臨し相談者を守れ、悪しき者のみ出てこい」「相談者に憑いている良い霊は外れろ、そうでない霊は残れ」というのが典型例だろう。霊と称して内面を分断させるのである。
ここも重要なポイントで、催眠中の相談者をコントロールするベースとなる。
4.トランス状態を作り、催眠状態へ
ある程度相談者の意識をコントロール下に置いたところで、本格的な催眠誘導が行われる。意味不明な言葉の羅列を繰り返す、読経、テンポのある音楽などをかける等して、トランス状態(変成意識)を作っていく。
すると、それに反応し、相談者の身体に変化が起こる。前後に揺れる、頭が回転しだす、腕が上下に動きだすなど、身体が周期的な繰り返し運動をし始める。
ここで自称霊能者は読経(その他トランス音)のテンポを上げ、「霊が反応しています」と言う。そして、その動きをもっと大げさに出すように誘導する。「霊よ、もっとはっきり現われなさい」などの言葉かけでさらに反応を強くするのだ。相談者はより大きく動き始め、呼吸も荒くなる。
また、無意識部分が催眠にかかっているかを見るために、身体を利用することもある。
「霊が憑いている」ことを無意識化で感じているかを試すためには、出だしで合掌をさせておくことが多いらしい。掌の間に隙間が出来ると「霊が離れていくことを意識している」などと取るそうだ。
トランス状態になると表情はうつろになり、身体に硬直現象が起こる。手や足が不自然な状態を保ったまま固まってしまうのである。
また、「霊よ、出ていけ」等と自称霊能者が命令口調で言うと、相談者から意味不明の唸り声が発せられる、首を振るなどの抵抗反応が起きることがある。これはトランス解除の欲求であるが、「駄目だ、まだ霊がいる」といって、霊の話にすり替え欲求を潰し、催眠を続けていく。
5.催眠を解除する。
ある程度催眠をかけたら、今度は「除霊」として催眠を解除する。解除時は指示がより具体的になるのが特徴だ。
「霊よ、背中(頭上)から出ていけ」と命令すると、身体はその部位へ反応する。それを見逃さず、反応をそこに移しつつだんだん動きを遅くしていく。背中から、と言えば相談者は後ろに倒れるような姿勢に、頭上と言えば頭を回すような動きに変わるだろう。
それを強めるように身体を介助しつつ、「ゆっくり」「ふぅっと出て」など、スピードを緩めるような言葉かけをして催眠解除を促していく。
最終的に催眠を解いた後は、相談者が落ち着くのを見計らって、自称霊能者は「気分はいかがですか」「大丈夫ですか」など、疑問形の声掛けをして目覚めさせる。「起きなさい」という命令系では、除霊の形を取れなくなるためだ。小さなことだが重要な点である。
催眠中は、自分はこうしたい、という意思とは裏腹に身体反応が起こる。人によっては拒否の言葉が出る場合もあるのだが、これを「除霊のときによくある現象、霊が強くて出て行きがらなかった」と称して信じ込ませるのである。
実際に霊など見えなくても、このような神秘体験をさせることで能力を信用させ、「除霊料・祈祷料」と称し高額をだまし取る自称霊能者は、残念ながら多くはびこっている。
催眠術の知識を身につけ、悪質な霊感商法から自分や身近な人の身を守ってほしい。

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