補助霊とは、地上の人間世界にいる霊魂のひとつであり、守護霊のひとつである。
その名前のとおり、自身でなにかをするというよりもサポート的な役割を期待されている霊だが、補助霊が補助するのは、ほかの守護霊――主護霊や指導霊の能力である。
(※本記事を読むうえでは、「守」護霊と「主」護霊の違いに注意されたい。守護霊というカテゴリーのなかに主護霊や指導霊や補助霊が存在しているのである。)
では、この「補助」とは具体的にどのようなことを指すのだろうか。
これを理解するためには、まず、主護霊の役割をおさらいしておく必要があるだろう。
主護霊はすべての人間に必ずひとりついている。担当する人間を常に見守り、道を誤らないよう正しい方向へと導こうとすることが主護霊の仕事である。想念を送りつづけることで、担当する相手を理想の人間へと成長させるべく日々奮闘しているのだ。また、悪霊に取り憑かれることのないよう目を光らせてもいる。
落ち着いた暮らしをわたしたちが送れるのは、主護霊のはたらきがあってこそなのである。
しかしながら、霊もけっして万能であるわけではない。その能力には限界があることを忘れてはならない。
たとえば、いつでもどこでも瞬時に繋がるかに思われる電話でさえ、宇宙空間を介しての通話では小さくないタイムラグが生じてしまう。話者間の距離があまりに大きすぎるためだ。
主護霊の能力についても同様のことがいえるのである。霊魂は、高級であればあるほど高い場所に存在しているが、主護霊は例外なく高級な魂をもつ霊だといえる。
守るべき人間との距離が遠いと、主護霊ひとりだけの力では想念が届かないのだ。
また、想念の次元が高すぎて、そのままの形では人間に伝わらないというケースもある。レコードプレイヤーを通して信号を変換しなければ、どのようなレコードも聴くことができないように、主護霊の想念も、場合によってはわたしたちにわかりやすい形にしてからでなければ伝わらないのだ。
そこで、補助霊の助けを借りるというわけである。
補助霊は主護霊よりも低級であるため、人間に近い場所に位置している。リレーでバトンをわたすように、主護霊からの想念を受け取って運ぶ役割を果たしているのが補助霊なのである。
補助霊の正体は、身近な先祖や家族の霊である場合が多いといわれている。前世の霊である場合もあるだろう。
主護霊からのメッセージをわかりやすく噛み砕いて伝える役目としては、これほど相応しい存在もない。
反対に、人間の側から補助霊にコンタクトをとることもできる。
誰にも相談できない悩みごとを抱えているとき、頼りにできるのが守護霊だ。人生を左右するような大きな決断をする際には、家族や友人よりもなにより守護霊を頼るべきだ。必ずや正しい道へ導いてくれるだろう。
しかしながら、人間の想念もまた、次元が違いすぎるために主護霊まで直接届くことは難しい。
そこで、補助霊を媒介として主護霊に相談を持ちかけるわけである。
低級とはいえ補助霊も霊魂ではあるため、なんの訓練もなくいきなりコンタクトをとるのは簡単ではないかもしれない。だが、落ち着いて念じることを日々繰り返していれば、それほど難しいものでもない。
人間の側からすれば、いわば補助霊は霊界への窓口だといえよう。
しかし、たしかに補助霊はありがたい存在であるが、頼りすぎてしまうのも考えものである。
なぜなら、補助はあくまで補助だからだ。主護霊のように高級な魂をもっているわけでも、高い能力を有しているわけでもない。すなわち、補助霊の限界は主護霊以上に早いといえる。
だからこそ、主護霊と直接コンタクトがとれるのであれば、それに越したことはないのである。
前項で述べたように、補助霊は人間と主護霊とを繋ぐ延長コードのような役割だといえる。ということは、主護霊と人間との距離が大きければ大きいほど、多くの補助霊を必要とすることになる。
すると、主護霊の想念はちょうど伝言ゲームのように人間へと伝えられるわけだ。
伝言ゲームは、周知のとおり、意図せずとも途中でメッセージの内容が変化してしまうものである。都度都度の変化は些細なものだとしても、その変化が何重にも繰り返されれば、もとのメッセージが原形をとどめず跡形もないものになるおそれもある。
つまり、多くの補助霊を介しすぎると、主護霊の大切な想念も大きく真意を曲げられた形で伝わりかねないのである。これではせっかくの主護霊からの導きも無駄にしてしまいかねない。
補助霊に頼らず主護霊とコンタクトをとる方法はひとつ、主護霊と意識を近づけることである。
主護霊が常にわたしたちを見守ってくれているように、わたしたちも主護霊のことをいつも気にかけるようにするのだ。こちらかも想念を飛ばせばよいのである。
と、こう言うと、そのような超能力はもっていないと慌てる人もいるかもしれない。だが、心配する必要はない。わたしたちに特殊な能力がなくとも、主護霊の側はそれを受け止める能力をもっているはずだ。
もちろん段階を踏む必要はある。まずは補助霊と親密になることを優先すべきだろう。やがて、いつでも補助霊とコンタクトをとれるようになったら、そこではじめて主護霊に直接想念を送るよう試みてみるとよい。
日常的に主護霊と連絡を密にしていれば、両者の距離は確実に狭まる。意識をより高次にもってくことができれば、さらなる幸運が待ち受けているだろう。