パニック障害とは精神疾患の一種で、比較的近年に認知されたものである。
それ以前は、不安神経症や自律神経失調症の症例の一つとして扱われてきた。
正式にこれが疾患として初めて認定したのは、1980年にアメリカの精神医学協会によるものだ。それから時を経て、1992年にWHO(世界保健機構)に登録された。
医学的には原因はまだ特定されていない。
しかし、最近では、脳の神経伝達物質に関連しておこる、脳機能障害の一種であることが解明されている。
この治療は、むろんしかるべき医療機関で行わなくてはならない。
ここでは、霊障との関係から推測されることと、対応策を記す。
症状は突然起こる激しい動悸・めまい・息切れ・手足のしびれ・過呼吸などのパニック発作に始まる。
大体10分くらいで苦しみのピークがきて、30分くらいで症状は治まる。
これは心臓病と大変似た症状なので、最初は勘違いして循環器科などを受診する人も多いという。
そして発作がいつ発症するか分からないため、強い不安感なども併発する。
それがひどくなると、電車や飛行機などの乗り物に乗れない、狭い空間が耐えられなくなる、限られたところにしか行けなくなる、等の状況に達する。
これを霊的にみると、憑依の状況と似ているため、原因を憑依霊による霊障とする向きもある。
発作の初期段階で、首の後ろあたりが肩こりのように重くなった、又は冷たくなったなどの違和感を覚える人がいる。
そのような場合は、何らかの霊による憑依に犯された状態なのでは、とも考えられる。
繰り返すが、治療は適切な医療機関で受けなくてはならない。
あくまで参考として捉えていただきたい。
■身近な人が発症した場合
自分の近親者が発作を起こしている場面に居合わせた場合、動揺は隠せないかもしれない。
しかし、本人はもっと苦しんでいる状態である。まずは「心配ない」「大丈夫だ」と安心感を与える言葉をかけるとよい。
気を強く持ち、落ち着いて側にいてあげよう。
またその後の不安感に対しては、根気強く付き合うことが求められる。早期回復をあせらせたり、今の状況を非難したりしてはならない。
原因が憑依であれば、肉体ないし精神が弱っている状態に起こりやすいので、まずは休息を取るよう促す。
憑依体質の人は感受性が豊かで、些少のことでも傷つきやすい。それは角度を変えてみればある種の才能とも言える。
俳優やミュージシャンにこの病の持ち主が多いのはそのせいである。
その柔らかい感性を尊重し、本人のあるがままの状態を認める姿勢を見せるとよい。
「自分をコントロールできない」という呪縛に囚われ苦しむ姿を否定せず、ただ受容する。そして出来ないことはさりげなくサポートする。
それが回復の助けになるだろう。
■自分が発症した場合
自分が死ぬのではないか、おかしくなるのでは、と思うような苦しい発作、そしてどこでそれが発症するかわからない恐怖は、耐えがたきものだ。
まずは休養が必要だ。
この疾患は生真面目・完璧主義などの人に起こりやすいと言われる。
ストレスや過労にも関わらず、責任感などから仕事や家庭での困難事の取り組みを止めずにいると、精神と肉体が離れるかい離現象が起こる。
このような時、憑依に遭遇しやすい。
十分な睡眠、栄養ある食事で疲れを癒そう。風呂にゆっくり浸かることも効果的だ。
そして、体力をつけること、自己受容することが力になる。
健康的な肉体に悪霊は寄り付きにくい。勿論、十分に休養を取った後で、ストレッチやウォーキングなどの軽い運動で基礎体力の増加に努めるとよい。
また、この病ないし憑依は、条件が重ねればどのような人にも起こりうる。
そして沢山の人が時を経て確実に回復しているので、悲観的になる必要は全くない。
辛い、苦しい、という思いが心の内にあっても大丈夫だ。否定せずに今の感情を味わってよい。ただ、それを誰かに話すとか、紙に書くなどして、感情を表にはき出す作業をしよう。自己表現は自分を取り戻すことの第一歩だ。
喜怒哀楽を表出し、自己理解を促せば己の内面が育ち、かい離の解消につながる。
また、やみくもに憑依を解消できる、という霊能者の類は大抵信用できない。
騙されることのないように心がけよう。