真霊論-心霊治療師ドクター・フリッツと指導霊団

心霊治療師ドクター・フリッツと指導霊団

「ドクター・フリッツ」とは、第一次世界大戦中に死亡したドイツ人の従軍医師、アドルフ・フリッツの霊を中心にした医師たちの指導霊団が憑依した、心霊治療師である。
ドクター・フリッツが憑依するのは、これまですべてブラジル人で、現在は「ルーベンス・ファリア」というコンピューター技師の男性が、その役を担っている。
つまり、ファリアがブラジルにおける5代目ドクター・フリッツである。
ファリアによれば、指導霊は3000以上のスピリットの集合体らしい。
こうした医師の霊団による治療なだけに、まさに奇跡的な心霊手術が現場では行われている。
ドクター・フリッツの治療シーンに関しては、これまで日本のテレビでも何度か報道されたので、ご覧になった読者もいるだろう。
なんといっても特徴的なのは「麻酔をかけないまま医療器具を使った治療が行われる」という点である。
動画サイトなどに治療シーンがいくつかアップされているが、例えば頭部の手術なども患者は立たせたままの状態で行われる。
これまで数万にも及ぶ患者がこの手術を受けているが、メスで切開されても「痛みは感じない」と、口を揃えている。
筆者は残念ながら、まだドクター・フリッツの治療を直接は確認していない。
一方、これまでフィリピンやタイなどでは実際に心霊治療を体験してきているが、フィリピンやタイの心霊治療師でメスなどの医療器具を使う心霊治療師はいない。
以前、日本のTV局のカメラがドクター・フリッツが治療場所に使っている工場の様子を詳細に撮影したが、とある場所に松葉杖が山積みになっているのを映し出した。
これはやって来る患者が、その場で松葉杖なしで歩けるようになるため、治療所に捨てていくからだと解説していた。
難病・奇病などを次々と治療してしまうドクター・フリッツに対し、当局も黙ってはいなかった。
2000年に日本で言うところの医師法違反により逮捕され、裁判にかけられる。
しかし、元大統領の病気を治癒した功績などが認められ、同年4月には無罪放免となっている。

ドクター・フリッツの憑依現象

ブラジルにおいてドクター・フリッツの霊が最初に憑依したのは1950年代で、アリゴ (1918?1971)という人物だった。
ドクター・フリッツに関する情報を調べると、多くの場合、「憑依」ではなく「チャネリング」という言葉が使われている。
しかし、ドクター・フリッツの場合、フリッツが降りてくると、そのミディアム(霊媒)となる人物の意識だけでなく、身体全体がフリッツのエネルギーと化す訳である事から、本稿では「憑依」と表現する。
ただし、一方的な憑依現象ではなく、ミディアムがその事に合意し、受け入れて成立する関係性である。
ドクター・フリッツに憑依されると、習ってもいないドイツ語が堪能に話せるようになり、また医学知識や科学の知識が自然とわかるようになる。
これによってミディアムは患者と対面した際に、医師ではないのに、まるで医師のように医学知識を駆使できるるのである。
このようなドクター・フリッツの憑依現象によって、特に医学から見放された難病患者など多くの人々は、奇跡の恩恵に授かれることができる。
しかし、ミディアムにとっては、過酷な未来が待っている。
まずひとつには、1日1000人とも言われる患者の治療を行うことが宿命付けられる。
五代目ルーベンス・ファリアだけでも累計治療人数は百万人を超えるという。
こうなれば、もう自分の人生は捨て、心霊治療師ドクター・フリッツとしての人生に身を捧げることになる。
そしてもうひとつ、「予告された日時に、非業の死を遂げる宿命」を背負うのである。
初代フリッツのアリゴを筆頭に、これまで歴代4人目までは、すべてフリッツの予言通りの時期に死の時を迎えてきた。
しかも、3人が車の交通事故、一人は凶器によっての殺害と、安らかな死に目は無い。
ところが、現在の五代目ルーベンス・ファリアに限って、この「死のノルマ」が解除されたのである。
じつはファリアは、予告によれば、2000年12月5日が命日となるはずだった。
また、「この死を最後にドクター・フリッツと霊団は地球を離れる」とも言われていた。しかし今回ばかりはこの予告が初めて、現実とはならなかったのである。
なぜファリアにおいては延命措置が図られたのか、その理由は明らかになっていない。
そして今現在もブラジルを中心に、五代目ルーベンス・ファリア「ドクター・フリッツ」は毎日、1000人の患者の治療にあたっているのである。

ドクター・フリッツが語るそのメカニズム

実際の医学的な背景に関して、ファリア&フリッツが語る内容を著書『ドクター・フリッツ奇蹟の生還』(パンダ笛吹著、VOICE刊)より抜粋してみよう。

●痛みのコントロール
オーストラリアの大学病院の医師の「どうすれば痛みをコントロールできるのか」という質問に対するフリッツの答え。
「医者は第三の目や透視能力を開発する事が必要だ。それには、正しい食事と記憶能力の拡大が要求される。そして、それを成し遂げた上で、医者は体内の磁場をコントロールできるレベルまで到達しなければならない。」

●アルコールとヨードチンキの注射で治療する
多くの科学者、医師がフリッツの手術を検証しているが、驚くのは治療の主体が「アルコールとヨードチンキ」だけの注射というものである。
なぜこれが有効なのかの理由をフリッツはこう答えている。
「注射液の中の主成分アルコールは、炭素、水素、酸素からなっている。これらは簡単に分子分解し、私の治療の現材料となって働くのだ。これらは、それぞれの体内で、違った相関位置を組み、別種の構成物質になり得る。つまり、体内の磁場を操ることにより、腫瘍を解体したり健康な細胞を再生したり、出血や痛みを消したりできるのだ。宇宙の真実では肉体は固体ではない。肉体とは、絶え間なく共振しあう素粒子でできた電磁場の集合体なのだ。もし、あなたがエネルギー場と質量を相互に関連させて同じ波長の磁場を作れば、私が作るのと同じ磁場を発生させることができるのだ。あなたは電磁場を操らなければならない。本当はそれが一番難しいことなのだがね。」
この内容を簡単に説明すると、「電磁場を操ることで原子転換をさせている」というのがフリッツの心霊治療のエッセンスのようである。

●なぜ痛みがないのか? その答えはオーラ治療にあり
肉体的に切開等をしても無痛である理由をドクター・フリッツはこう語っている。
「私が疾病を診断する時には、病人が発するオーラの色を見る。その時は、肝臓や心臓や脳は見えない。その色は、ヨガでいうチャクラと同じシステムだが、神秘的な原理ではないのだ。人間が犯している間違いは、目に見える肉体だけに焦点をあてていることだ。見えない身体があることを、忘れてしまっている。私にはさまざまな色が水分の濃度として見える。それは、ちょうど虹を見る時の現象に似ているよ。それが見えるようにならなくてはならない。肉体の外周にあるエネルギー体は、何でも好きなように呼んでいいのだ。名前は、たかが名前だしね。
ルドルフ・シュタイナーはそれをアストラル体と呼んでいる。手術の時も、私は腫瘍をまずアストラル体から取り出し、そのあと肉体から実際に摘出する。アストラル体では、痛みも出血、感染もあり得ないのだ」
心霊治療が「アストラル体治療」であることは、筆者が出会ったフィリピンの心霊治療師も認めていた。

《た~と》の心霊知識