真霊論-チャネリング

チャネリング

チャネリング (英: channeling, channelling) とは、意図的に意識等を使って、異次元の存在(霊的存在・神・死者・霊界人・宇宙人・未来人など)とコンタクトを取る手法である。
古くは19世紀から20世紀に掛けてイギリスを中心に西洋諸国に普及した「スピリチュアリズム」におけるシルバーバーチ、ホワイトイーグルなどが「チャネリング現象」として知られている。
その後、チャネリングをメジャーにしたのは1980年代以降、米国を中心にして起こった「ニューエイジムーブメント」である。
そのニューエイジ興隆の中で世界に広まり、80年代終盤に日本にも上陸した。
90年代初頭に始まった日本でのチャネリングブームのそのきっかけは、米国女優シャーリー・マクレーンの著書『アウト・オン・ア・リム』と、来日したダリル・アンカという米国人チャネラーがチャネリングした「バシャール」という宇宙存在からのメッセージの新奇性にあったといえる。
90年代以降、現在に至るまで、諸外国からかなりの人数のチャネラーが来日し、講演会や個人の質問に答える個人セッションなどが開催されている。
また、「チャネラーになるための講座」なども数多く開催されている。
チャンリングを行う人間を「チャネラー」、もしくは「チャネル」と呼ばれる。
著名なチャネラーには、エドガー・ケイシー、ケビン・ライアソン(シャーリー・マクレーンの本に登場した)、リサ・ロイヤル、リチャード・ラビン(エクトン)、『神との対話』のニール・ドナルド・ウォルシュ、ゲリー・ボーネル、等がいる。

チャネラーに関して

チャネリングの手法は、大きく3つに分かれる。
1)コンシャス・チャネリング
これは自分の通常意識を保った状態で、チャネリングを行う手法である。
2)セミコンシャス・チャネリング
自分の意識が半分失われた状態で、チャネリングを行う手法である。
3)フルトランス・チャネリング
自分の意識は完全に失われた状態で、チャネリングを行う手法である。
バシャールのチャネラー、ダリル・アンカはこの手法である。
どの手法を取るかはチャネラーによって異なるが、フルトランスの手法を取るチャネラーはかなり稀有であるといえる。
また、上記はあくまでもそのチャネラーの自己申告である。

●バシャール現象
米国からチャネラーであるダリル・アンカを招聘し、書籍出版を行ったのは、VOICEというニューエイジ系出版社である。
来日イベントと出版の相乗効果によって、バシャールはヒット企画になった。
芸能人などにもファンが多く、最近では元プロ格闘家の須藤元気氏もバシャールとの対談本に登場している。 ちなみに宇宙存在バシャールバシャールは、オリオン星近くの惑星「エササニ」の宇宙船操縦士である。
バシャールのチャネラーとしてはダリル・アンカがよく知られているが、じつは他にも存在している。
その人気が絶頂期にあった90年代、バシャールをチャネリングするチャネラーは、関野あやこ氏の「あやこバシャール」、竹原小百合氏の「小百合バシャール」がそれぞれがチャネリングセッション活動を行っていた。
現在も竹原小百合氏の「小百合バシャール」は活動中である。
竹原小百合氏は、ダリル・アンカのセッションに参加中に突然意識を失って倒れ、その後、フルトランス状態でバシャールをチャネリングするようになる。
こうした現象も話題となり、バシャール・チャネラーを目指してダリル・アンカのセッションに参加した人も多かったようだ。

●憑依現象との違い
チャネリングは憑依現象とは違い、仮にフルトランス状態であったとしても、身体までを支配されるということ無い。
支配されるのはあくまでも「意識」である。
また、これまでにチャネリング後に悪霊的なものに支配され、心身に異常をきたしたというチャネラーのケースはニュースにはなっていないようだ。
ただし、チャネリング能力を開発したいと志す場合は、こうした「憑依の危険性」やいわゆる低次元存在とのアクセスの可能性・危険性も十分に考慮すべきであろう。

チャネリングによるメッセージ内容

「ニューエイジムーブメント」におけるチャネリングメッセージというのは、人間の生き方ノウハウに関して新たな視点を投げかけるものがほとんどだった。
その典型例が「バシャール」による「ワクワクしましょう」というものである。
これは「人生においてはワクワクすることがとても大事」という極めてシンプルなメッセージである。
しかし、高度経済成長や競争力といった言葉やプレッシャーが世界を包んでいた中においては、とても新奇な言葉に感じられたのである。
これはもちろん、チャネラー自身が、スピリチュアルなライフスタイルを提唱する、あるいは実践している人間だったのであるから、当然の結果なのであろう。
これまでのチャネリングメッセージの内容を大まかに大別すれば、以下のようになる。

1)新たな生き方、考え方のヒント。
※スピリチュアルな生き方とはどういうものなのか
2)お金、仕事、セックス、恋愛など、人生における各テーマに対する新たな視点の示唆
3)地球や宇宙に関する様々な情報
4)過去の地球文明、未来の地球の様子などに関する情報
5)地球の支配者層などに関する隠蔽情報の暴露や予言

最近話題のマシュー君のメッセージとは

「ニューエイジムーブメント」におけるチャネリングメッセージが、上記の4までをテーマにしていたのに対し、最近話題になっている「マシュー君のメッセージ」では5)として挙げた「地球の支配者層などに関する隠蔽情報の暴露や予言」が行われている。
「マシュー君のメッセージ」とは、1980年4月17日に当時17歳の若さで他界したマシュー・ワード少年からのメッセージを、その母親であるスザンヌ・ワードさんが、テレパシックなチャネリングによって受診し、情報発信しているものである。
日本では森田元氏の元に英語が届けられ、森田氏が翻訳し、自身のホームページに掲載したり本として出版しているものである。
この「マシュー君のメッセージ」が単なる「霊界メッセージ」ではないとされているのは、マシュー君が今いる次元においてさまざまに情報収集を行い、地球に関する具体的な情報を送ってきている点にある。
もちろんマシュー君もスピリチュアルな生き方指南は行っている。
しかし特に通称「イルミナティ」と呼ばれる地球の支配者層などの動きなどが、毎回、メッセージの中に網羅されており、陰謀論者たちにもこの「マシュー君のメッセージ」が支持されている点がこれまでのチャネリング・ブームとは一線を画した部分であろう。
しかし、これまでにマシュー君の予言として、「大型宇宙船が地球上空に出現する」など、結果としてウソとなったものもあり、そうした部分だけをとらえて批判する意見もある。

チャネリングの方法

チャネリングには大別すると2つのパターンがある。

1.自身でメッセージを受け取る
よく知られているものでは、ヒプノセラピー(催眠療法)やカード・カウンセリングである。また、「ひらめき」のように特定のイメージが降りてくる、画像、映像が見えるなどがある。自らイメージをするので、初心者でもメッセージを容易に受け取れるという利点がある。
チャネリングへ導く媒介者が存在する場合は、イメージをかみ砕く役割を果たす。また自分自身がチャネリングをして霊と交流を行う場合もここに含まれる。

2.チャネラーが受け取ったメッセージを聞く
タロットカード等のカードを用いる、守護天使からのメッセージを受け取る、クリスタルを媒介にする、チャネラーに降臨した魂が話したり自動書記をしたりする、などの方法でチャネラーが受け取ったメッセージを聞く。その際は、チャネラーとの相性や信頼関係がメッセージ内容の正確性に大きな影響を及ぼすため、自分にとって良い人を選ぶことが肝要である。

■チャネリングの準備
チャネリングを行う際は、身体の霊的なエネルギースポットであるチャクラが活性化しているとスムーズに行きやすい。これは心身の健康と霊的世界への理解等で鍛えられる。よく知られているところでは、インドのヨガ運動、瞑想などによってチャクラを活性化させることができる。
特に「第3の目」と呼ばれる、眉間に位置する第6チャクラと、頭頂部に存在する第7チャクラが活性化しているとチャネリングが成功しやすいといわれる。
【身体的、環境的な準備】
チャネリングに入る前に、周辺環境と自身のコンディションを整える必要がある。以下に要点をまとめる。
・お祓いに念仏、詞などを唱える
邪霊、悪霊などに騙されないようにするため、事前に御祓いの儀式をしておくことで身の安全が確保される。聖書の一節や般若心経、大祓詞、また自分が普段から用いている念仏などを唱えるとよい。
・自分の周りに結界を作る
盛り塩やクリスタルなどを、部屋または自身の座る位置の4隅に配置して、結界を作る。強い霊魂を呼ぶような場合は縄を張っても良い。これも邪霊対策である。
・チャクラを流れるエネルギーを感じる
チャクラは、脊髄に沿って身体の下から頭上に向かって並んでいる心身のエネルギーの通り道だ。
まず座って瞑想の用に目をつぶり、地球の中心部から自分の第1チャクラ(脊髄の一番下にある、会陰(肛門と性器の間)部あたり)に向かってエネルギーが上昇してくるようなイメージを作る。
するとだんだん第1チャクラ周辺が温かくなってきたと感じてくるだろう。
その状態をキープしたまま、頭頂部の第7チャクラに意識を向け、ここから天頂へ向かってエネルギーが出ていて、それが宇宙の神々へ繋がっていくというイメージを持つ。
第7チャクラがも温まり、開いてきたという感覚が持てたら、十分にチャクラが活性化した証拠である。これで身体の準備は完了だ。

【精神的な準備】
霊を呼び寄せる際は、気持ちが揺らがないようにしなくてはならない。ただひとりその霊とのチャネリングを楽しみ、会話やエネルギーの交流を心から望むという強い気持ちを持つことが大切だ。そうしないと、隙が生まれ悪霊の邪魔を受ける可能性があるので気をつけたい。

■チャネリングの方法
以下で実際のチャネリングの流れを説明する。
1.第6チャクラ(眉間)と第7チャクラ(頭頂部)にエネルギーが集中していくように意識する。ゆっくりと腹式呼吸をして、呼吸を整える。
2.自分自身が宇宙のエネルギー体のもとへ上昇するイメージを持つ。
その後、底からゆっくり下りてくると同時に、チャネリングをしたい対象が自分の前へ来ているようなイメージを作る。出来れば、細部に渡って具体的な姿を想像するようにする。
3.対象のアストラル体(身体の周りでオーラを形成しているエネルギーの一部)が、自身の第7チャクラから身体の中へ入ってくるようにイメージをする。
その後、自分自身のアストラル体も、対象の第7チャクラを通って入っていくように想像する。
4.対象が自分に入ってきたことを感じる。
ハートの辺りが温かくなる、内部が広がったような感覚になる、というようにして対象の存在が感じられる。そこからは自由に会話などを楽しむ。
その際、対象の存在が分からないとか、はっきり感じられないなどとあせってしまうとチャネリングは出来ないので、落ち着いた心情をキープしなくてはならない。
もし最初はうまくいかなかったとしても、チャネリングは訓練次第で誰でもできるようになるので、気長に取り組むことが大切である。
この技術を身につけると、さまざまな霊との交流が可能になる。
しかし、低級霊が高級霊のふりをして陥れようとすることもあるので十分に気をつけたい。
低級霊の言葉には命令や押し付け、脅しが多く、高級霊は自由な選択を喜び強く心地よいエネルギーを与えてくれるのが特徴である。

チャネリングの危険性

以下に記す「チャネリング」とは、異星人や人間以外のエネルギー体からの意識・言葉・情報等を受信する行為を意味する。
チャネリング情報に接したり、チャネリングセッションに参加したりすると、「私もチャネリングをしてみたい」等と思いがちである。
また、インターネットなどにも、「チャネリングは誰にでもできる」などとチャネリング開発法なども公開されたり「有料の講座」があったりしている。
まず最初に、チャネリングが誰もがすべきものであるのなら、自然と多くの人がチャネリングを行っているはずである。
しかし実際にチャネリングを行っているのは、ごく限られた人である。
それはその人たちにはそうした役目があるからであろう。
それ以外の人は、外界とのチャネリングを目指す以前に、自分の内なる声、魂の声を直感の中に正しく感じるチャネリングに精進すべきなのである。
そうすれば、外に判断や情報を求めずに、自分の内側から意志として、人生におけるあらゆる正しい選択が可能になるのである。
加えて内なる心の声を聞ければ、あなたは生きている他者の心をしっかりとチャネリングできる(=思いやりのある)人にもなれるのである。
もしあなたに何かミッションが降りてきて、見えざる存在とのチャネリング能力が必要となったのなら、ごく自然にそれは行われていくであろう。

●チャネリングに潜むいくつかの危険性
見えざる存在との接触は諸注意がいくつかある。
まず、「見えざる存在」とのチャネリングを望んだ時、まず、その人に一番近寄りやすい存在がどういうものか考えてみることである。
筆頭候補に挙げられるのは、人間という物理次元に一番存在である、俗に言う「幽界」の存在と考えられる。
「幽界」とは、物質界と「霊界」の中間と考えられており、例えば死んだ直後の人などで「霊になった自覚がもてない」「死んだ現実が受け入れられない」等の理由で、霊界へと進めない存在などもいる。
こうした霊的な存在は、物質次元への未練等も強く、人間とのコンタクトを必死に求めている存在も多いのである。
例えばチャネリング志願者が「誰かメッセージをください」などと黙想したり、あるいは「自動書記」などを行えば、それを感知した幽界の存在がコンタクトしてくるケースは十分に考えられる。
こうした「幽界」の存在とのコンタクトを行っていれば、心身に不調和が起こることも考えられるし、とんでもない情報を聞かされた挙句、それを「神からのメッセージ」などと思い込んでしまう危険性もある。
また、相手が低俗な存在であれば、犯罪行為を強いるようなミッションを与えてくる危険性もあるのである。

●フルトランス・チャネリングは特に危険
チャネリング志願者で特に注意が必要なのは「フルトランス・チャネラー」志願者である。
フルトランス・チャネリングとは、自分の意識を消失させてしまうチャネリングの方法である。
つまり、自分の意識を完全に「見えざる存在に空け渡す」のである。
こうした行為の危険性は「多重人格症」の現状がよく示している。
重度の多重人格症になると、心に潜む凶暴な別人格が現われると、本心とは無関係に平気で犯罪を起こしてしまうのである。
もちろん「多重人格症」はチャネリングではなく精神疾患とされている。
しかし、もし本当にフルトランスチャネリング能力を身に付けたとすれば、それは心身の状態的には「多重人格症」を意図的に発症させたのとなんら差異はないのである。
もし高次元的な存在が入ってきたのなら危険性は少ないであろうが、より多く侵入する可能性がある幽界、地獄界の存在が入ってきたとすれば、さまざまな危険性を自ら招きいれることになるのである。
ちなみに「地獄界」を幽体離脱テクニックによって訪問した、エマニュエル・スウェーデンボルグによれば、地獄界にはやはり犯罪者が犯罪を悔い改めず地獄界に留まっていることが多いと記している。
また、「人間界のやつらを引っ張り込もうぜ」と、虎視眈々とそのチャンスを待っているとも記している。

●チャネリング情報の信憑性
万が一にも「自動書記」等のテクニックでチャネリングメッセージ的なものをキャッチしたとしても、その情報内容に関しては鵜呑みにしてはいけない。
チャネリング志望者は、「自分にメッセージが来ればそれは信じるべきもの」という願望と先入観がある。
しかし、よほどのミッションを持たされた宿命の持ち主でなければ、「公にするべき、信用できる高度な次元からの情報」などはやって来ないのである。
そのことを忘れない方が懸命であろう。
ただし、生きている中でごく自然に、あなたの内なる心に響く直感の声であれば、それはあなたの人生においては信頼すべき魂の声である可能性は十分にある。
見えざる存在をチャネリングするより大切なことは、あなたに内在する魂の声を聞くことなのである。

《た~と》の心霊知識