真霊論-タリズマン

タリズマン

タリズマン(タリスマン)とは、持ち主を霊的に守護するお守り、護符である。
その語源はギリシャ語で「神に捧げられたもの、清められたもの」を意味する「テレズマ」である。
タリズマンはそもそも、4世紀以降、占星術の発展に積極的に関与したギリシャ人の文化から生まれたものとされている。
ギリシャでは神々を、天空の星座や星々になぞらえており、それら神々のエネルギーをお守りの中に取り込んで活用するのがタリズマンの原型である。
占星術においては、自分の運気を知る道具としてホロスコープがある。
このホロスコープから、自分のエネルギー的な弱点・欠点がわかると、それを補うためのエネルギーを注入したタリズマンを所有することで、自身の運気などを守護することを目的にしたのである。
こうした経緯から、元来のタリスマンは、それらが作られた時の惑星、あるいは星座の配置の力を持つとみなされた神格化された人物像、または肖像を掘り込んだ石、指輪、金属板、羊皮紙または他のもので、文字や、数、聖句、または抽象的なシンボル、神秘図形等どが使われることもある。
しかしこうした形状にこだわることよりも、いかに神聖なエネルギーを込められるかということが重要になる。
近代になって、占星術を取り込んだ魔術文化において、タリズマンはより多様な活用法を見せることになる。

「黄金の夜明け団」とタリズマン

●召還魔術とタリズマン
19世紀末にイギリスで創設された魔術結社「黄金の夜明け団」は、占星術やカバラ等、さまざまな神秘学・神秘秘儀を集合させていたことで知られる。
タリズマンに関しても研究が進められ、独自のタリズマン作りが行われていたようである。
黄金の夜明け団においては、まず、召還魔術により、天使なり悪魔なり、必要とするエネルギー体を呼び出す。
次に、それらをタリズマンに封印することで、より霊力の高いタリズマンを作っていたとされている。
黄金の夜明け団の定義では、タリズマンは「単に守護するだけのお守りではなく、必要とあれば霊的に攻撃もできるもの」であり、「充電も必要となる一種のパワーソース」なのである。

●タリズマンとアミュレットの違い
一方で、単なるお守りとして携帯するものとして「アミュレット」の作成も行っていたとされている。
タリズマンとアミュレットの違いを明確にすると、「タリズマンは電池、アミュレットは絶縁体」ということになる。
この場合の絶縁体とは、霊的エネルギーを遮断するもの、という意味である。
またタリズマンはエネルギー力が強いため、携帯を義務付けられるものではないのに対し、アミュレットは携帯することで意味を持つものである。

●テレズマ天使とは
黄金の夜明け団では、守護天使を「テレズマ天使」と呼称していた。
テレズマとはタリズマンのことであり、天使の召還は、天使のその霊力をタリズマンに込めることで、様々に使役しようと試みたわけである。
黄金の夜明け団の作成したタリズマンには、このテレズマ天使像と惑星配列等の象徴図形、神秘図形などで構成されていたとされている。

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