水蛇龍とは、古い井戸に宿った霊魂のことを指す。
この霊魂は水を守る「水神」と、それの上の位の霊的使命を持つ「龍神」の中間くらいの力を含有する。
水神は「荒ぶる川」を、龍神は「大雨」を暗喩し、川や豪雨が流れるさまを蛇に見立てこの名が付けられたそうだ。
日本では古来より神道に代表されるアミニズムが浸透しており、万物に霊魂が存在するという思想がある。そして人間が生活していく上において水は欠かせないものであるが、古代の人々はそこに力強い精霊が宿っていると考えていた。
農耕民族である日本人にとって、水は枯渇しても氾濫しても、収穫や日々の営みに大きく影響してしまう。そのため、川や池・沼、海などを「水神」の名をつけて祀ることで畏敬と感謝を表現し、また地域によっては季節ごとの祭礼なども念入りにとり行っていた。井戸もそのひとつである。
また美の象徴としての側面もあり、水神に愛された女性は美を手に入れることが出来るという逸話(関東以北に多い)も数多くある。
ただ、これらの礼儀を忘れて粗末に扱ったり、井戸の埋め立てするときに祈祷や御祓いなどを怠ったりした場合には祟られてしまう。特に水神のパワーは多々の自然霊に比べ強大だ。水蛇霊の「蛇」というのは脱皮を繰り返すさまが再生を思わせるため、不老不死の象徴として知られているが、これが水蛇龍となった場合は末代まで呪われてしまうということを示唆する。
もともと神の化身である精霊だったが、怨念が溜まることによって霊的レベルが下がっていく。そこに低級の自然霊、寄ってきた動物霊などが混ざり合って出来るらしい。
また、過去にその井戸で自殺した人の霊魂が年月を経て、ひどい扱を受けた水神とむすびつき水蛇霊となるパターンもある。
おもだった霊障は以下の通り。
基本的に身体の気のめぐりが悪くなることから端を発する病に侵される。
この霊魂の恐ろしいところは、血縁関係全てに症状がでることである。また一人が快癒すると違う血縁にとり憑くなど、除霊により根本的に解決しない間は一族から決して離れないといわれる。
・心臓の病気全般(弁膜症・原因不明の心臓肥大・心不全・心筋症その他)
・高血圧
・気管支や肺に関する疾患(肺気腫・肺浸潤・肺に穴が開く、呼吸困難など)
・のどの疾患(喉頭癌・ポリープなど)
・腎臓病
・結石関連の疾患(じん臓結石・胆石・尿結石など)
・静脈瘤、浮腫など
・関節(ひじや膝)に水がたまる、関節痛(痛風)など
・鼻炎
水蛇霊からの祟りに悩まされているという心当たりがあれば、速やかに除霊しなくてはならない。実家やゆかりのある土地に古い井戸がないか、もしくはお祓いなどをせずに埋め立ててしまった井戸がないかを調査すべきである。
見つかった後は、信頼出来る霊能者や地元の神社などに御祓い・祈祷をお願いしよう。
そして、神主や霊能者に相談し。しばらくの間は今までの非礼を深くお詫びする祈りを、一族で(協力してくれる人だけでもよいだろう)、定期的に捧げた方がよいだろう。自然霊のパワーは大変強く深いものだからだ。