魔除けとは、悪霊や邪気から身を守る行為や物体のことである。
その方法は、祈りを捧げたり、霊的なパワーのあるものを使ったりするなどさまざまだ。
一番大切なのは、悪しきものに惑わされない信念と身体を保つことだ。人間の持つ強い気力は何よりも有効なのである。
ただ、それを補う意味で魔除け対策になるものを身につける・家や土地に祀るなどは、先人の知恵でもあるため、うまく活用されたい。
しかしくれぐれも、悪徳業者の販売する高額な品に騙されないように注意してほしい。
以下に、主な魔除けにかかわるものを紹介していく。
・呪文や御経
信仰する宗教の聖句、経典、呪文などを唱えて邪気を祓う。儀式と合わせて行う場合が多い。基本的には神官や僧侶、霊能者などがとなえる。
朗唱する時期や時間が決まっているものもある。
・歌(祝詞)、音楽
巫女など、宗教従事者による経典の歌唱。儀式と合わせて行われる場合が多い。
また、呪文や歌に合わせて楽器を使うこともある。太鼓、木魚、鐘、鈴、シンバルなどが挙げられる。
鈴などは、携帯して魔除けとする場合もある。
決まった振付で踊る、あるいは手や足の一部を決まりに従って動かし(十字を切るなど)邪気を払う。これも専門家によって儀式とともに行われるパターンが一般的だ。
・御札や御守り
御札は細長い短冊状の紙に墨で文字を書きつけられている。香が焚きしめられているものもある。
使用方法は、部屋の決められた方位に貼る、携帯するなどが挙げられる。
御守りは、美しい布に祈りの言葉が刺しゅうされたもの、衣服に独自の文様が施されているもの、信仰で崇められている動植物の一部をかたどったものなど多種ある。気軽に携帯できるような小さいものが多い。
・置物など
沖縄のシーサーやアイヌのふくろうなど、架空または実在の動物を、木彫りや陶器などで表現したもの。
玄関の前や台所、神棚などにおかれる。
・銀
純粋で美しい輝きを放つことから、魔除けとして古くから用いられている。
欧米では銀で十字架を作ったり、子どもが生誕すると銀食器を贈ったりする。
中国や東南アジアでも、銀でできたロケットペンダントなどを魔除けとする風習がある。
・石(パワーストーン)
魔除けに使われるものは水晶が多い。
ブレスレットなどにして携帯する、家の決まった方角(場所)に置くなどの方法がある。
その他にはヒスイ、メノウ、アメジスト(紫水晶)などがあげられる。
・塩
粗塩、岩塩などは海由来のものであるため、古来より邪気を浄化する作用があるとされてきた。
部屋の四隅に置いて結界を作る、少量舐める、携帯する、あるいは葬式の後に身体へかけるなどの方法がある。
・植物
榊の葉や月桂樹などを用いる。八手(やつで)の葉、ナナカマドの実や枝、あじさい、南天の枝なども挙げられる。これらは神棚などに祀ったり、または所定の場所に吊るされたりする。
にんにくなど、香辛料的なものを使う場合もある。
・アルコール
日本酒やワインなど、発酵酒を用いる場合が多い。
体の一部や住んでいる土地などにかけたり、そのまま飲んだりする。
・火
主にろうそくなどが用いられる。神木などを燃やす場合もある。
・香り
線香や香木、植物由来のオイルなどを焚いて邪気を払う。
海外ではハーブも用いられるようだ。タイムやバジル、セージなどが代表的である。
・鏡
鏡は世界のあらゆる場所で悪霊退散や魔除けとして用いられてきた。
玄関などの所定の場所に飾ったり、携帯したりされる。
・髪の毛、くし
髪の毛には古来より霊的な力があるとされてきた。
船乗りは、無事な航海を祈って妻の髪の毛を携帯していたという。
くしは、邪気が感じられる方向へ向かって投げる、あるいは、身内が使っていたもの(母親の物など)を携帯するなどが挙げられる。
パワーストーンのもつ、さまざまな効用のひとつに「魔除け」がある。
魔除けといっても、自分が何から身を守りたいかによって効果のあるストーンは異なる。
以下に、よく知られている魔除けの効果が高いパワーストーンを紹介する。
■ターコイズ
ターコイズは変色や破損の多い石だ。しかし、そのように石自身が壊れることで、持ち主の犠牲となって危険や災難などから身を守ってくれる。あるいは、難が近づいていることを未然に知らせてくれるという。お守りとしての効果が高い石。
■ラピスラズリ
ギリシャローマ、またエジプト文明の古代から神の代替として篤く用いられてきた、パワーの高い石。「聖なる石」などと呼ばれることもあり、呪術的な儀式でもよく使われていた。
ラピスラズリには、深層心理下の意識を根本的に変化させるという性質があり、直感力を高めたり、冷静な判断力をもたらす効能がある。また、悪しきものを未然に防いて運気をアップさせる。
■ペリドット
強力なパワーを持つパワーストーン。未然に厄災や不穏な人物から持ち主自身を遠ざけ、身を守ってくれる効能があるとされる。
■マラカイト
悪霊的な存在、またはそのような空気を持っている人物や場所などの、いわゆる「邪気」を察知し払うという効果が強い。もし、危険な状況や場所へ赴いた際は石自体が割れたり、砕けたりして警告をうながす。
■ホークアイ
鷹目石とも呼ばれる。恋愛や進路、家庭や仕事の問題などで悩み苦しんでいるとき、あるいはそれらの対処をどうしていいのかわからないなど、冷静な判断が失われた場面でこの石を持つと、不思議と肩の力が抜けて、よい選択が出来るといわれている。
■パール
真珠。「純粋、純朴」を表す石でもある。持ち主自身の汚れた邪な心や、周囲から発せられている邪気を浄化してくれる効果がある。お守り代わりに身に付けるとよいとされる。
■ガーネット
別名、柘榴石と呼ばれている。人類史上で最も古くから用いられている宝石と言われており、古代エジプト文明でも活用されていた。悪しき存在や状況などから身を守り、お守りとしての効果がある。
■タイガーアイ
虎目石と呼ばれることもある。
大変に高いパワーを持つ石で、自分に害をもたらすものを強力に払いのけてくれる。例えば危険な状況下で仕事をしているとか、プレゼンやオーディションなどライバルと戦う場面などで身につけると高い効果がある。
また、女性の場合は痴漢やセクハラ、ストーカーなど性的な被害からからも身を守ってくれる。その他、玄関などに飾ると泥棒被害を未然に防いでくれる効果もある。
■アクアマリン
精神的な安らぎを与えてくれる石と言われる。心の闇から身を守るのに最適。いじめなどで落ち込んだり、人生の選択の場面で悲観的になったりした時に、ネガティブな精神状態になることを未然に防く効果がある。
■ヘマタイト
いわゆる「反射作用」が強い石。邪気を強力に払い周囲を浄化し、心穏やかに過ごせる環境作りに効果を発揮する。
また危険人物や厄災などから身を守ってくれるという効能もある。
■エメラルド
エメラルドは特に、女性の魔除けパワーストーンとして効果が高い。
ストーカーや痴漢被害、セクハラ、性的ないたずら電話など、その他の性的な諸問題を未然に防ぎ身を守ってくれる。
■クリスタルクオーツ
「クリアクォーツ」と呼ばれることもある。いわゆる水晶のことを指す。
特に日本では、信仰や呪術的儀式の場面で水晶を活用してきたという歴史があり、なじみ深い石として知られている。日本の守護石でもある。
基本的なオールマイティーに効果のあるパワーストーンだが、浄化力が強く心身の健康や、よどんだ状況の改善などに力を発揮しやすい。その他、悪しきものを遠ざけるお守りになったり、心や身体を活性化したりする。
■ルビー
ルビーは、古来より宝石としても大変貴重で重要なものとして扱われてきた。またパワーストーンとしても、強力なお守りとしての役目を果たすと言われている。
強力な邪気から持ち主を遠ざける力があるとされる。また、危機的状況が近づくと、赤色が赤褐色に淀んでいくらしい。そうして持ち主へ危険を伝えるという逸話もある。
■デザートローズ
お守りとしての効果が高いパワーストーン。特に、対人関係に威力を発揮し、悪意のある人やいじめてくる人などを未然に遠ざけてくれる。また、もし現在そのような人がいるなら、悪縁を断ち切ってくれる。
■オニキス
精神面を強くすることに効果を発揮するパワーストーンである。
持ち主自身の内心にあるネガティブな感情や、邪な気持ちを沈めてくれた上で、ポジティブな想念を高めたり、良い信念を強くしてくれたりする。心身ともにたくましく、それでいて穏やかな状態へ導いてくれる。
■ジェイド
別名は翡翠。
強力な護符として古くから用いられてきたパワーストーンである。例えば、飛行機事故から偶然に逃れられたとか、火事の現場からうまく逃げられたなど、危険な状況から身を守ってくれる効果がある。