真霊論-呪い

呪い

呪いとは、ある手段(行為)によって、特定のターゲットの心身へダメージを与える行為や、不特定多数の相手に対しネガティブな想念を送りつける行為・情念を指す。
日本では古来より、「丑の刻参り」という呪いの技法があった。これは丑の刻、つまり夜中の二時に、わら人形を呪いのターゲットに見立て、そこに釘などを刺すというものである。
こうしたネガティブな現象をターゲットに与えようとする呪いは、欧米では、「ブラック・マジック」と呼ばれる。
ハイチのブードゥー教は「ブラック・マジック」を実践することで有名である。ちなみにブードゥー教のシャーマンは、呪いのわら人形とほぼ同様の手法により、呪いを商業的に代行している。
ブードゥーの呪いを受けると、相手の身体には多数の細い針状の金属が骨などに刺さる。その被害者は、北米や南米で実際に多数存在し、体調不良から病院でレントゲンを撮ってみると、多数の針状のものが発見されるのである。
ただ、残念ながら科学的にはまだ、これらの「謎の針の身体への混入」と、ブードゥーの呪いとの因果関係は立証されてはいない。
また、東南アジアのバリ島などでも、いまだに「呪い」が暗躍していることで知られている。筆者の知り合いの日本人が、バリ島で現地人と結婚したが、今は離婚し日本に帰ってきている。その理由の第一は、「呪い合戦により、心身に不調和をきたし、耐えられなくなった」からだと言う。それほどに呪術師を媒介にした呪い合戦が日常茶飯に行われている、と嘆いていた。
さて、こうした呪いのメカニズムについて推察を書いてみよう。
相手の心身にネガティブな影響を与える、これらの「呪い」がなぜ成就するのだろうか。
ひとつには単純に、人間の意識が持つパワーの成果ということが言えるだろう。
つまり相手に対する強い怒り、恨みが、そのまま見えない力となって、相手へダメージを与えるというものである。
しかし、シャーマンなど、ある特定の能力者にしかできない呪いも存在している。シャーマンたちは呪いの際に必ず「呪文」を唱える。そうすることによって、呪いを現実化させる「存在」とコンタクトを取るのである。
つまりこの場合は、人智を超えた次元の存在が、その呪いを実現させた、と仮説を立てることができる。この次元の存在とは、いわゆるネガティブな影響を現実化させる存在である。キリスト教的な概念で言えば、悪魔(デーモン)などの領域になるのだろう。
ポジティブな現実をサポートする天使(ホワイトサイド)の存在がいる一方で、ネガティブな現実を創出する悪魔(ブラックサイド)もいる、というのが現実なのかもしれない。
呪いの原理には、因果応報のシステムが含まれているという。つまり、相手を呪えばそれは実現するかもしれないが、自分にも相応の何かしらのものが帰ってくる、というものだ。すでに周知の通り、ハイチは2010年1月に大地震によって壊滅的な悲劇を受けた。おそらく、多くのブードゥー教シャーマンたちもこの難を逃れることはできなかっただろう。
最近日本でも、女子高校生などをターゲットに、呪いのわら人形キットなるものが通販されていたりするのを知って言葉を失った。いかに恨みを持つ相手がいようとも、絶対にこうした行為を面白半分などでも試してみてはいけない。
人を強く恨む思いは、それだけでネガティブな現象を、様々に自分の周りに引き寄せかねないのである。むしろ、人を恨む気持ちをいかに自己成長というポジティブなものへと転換させるか、その思考回路の逆転こそが、「呪い」よりはるかに実りのある、人生を豊かにするための最善策なのである。

呪い解説②

呪いとはある特定の人物や団体、社会等に恨み(怨念)や病魔への恨みを持つ人が、霊的(※霊魂レベル)な復讐を行う儀式の事を言う。
類義語で呪術、祟るなどとも言う。
日本で多く用いられる呪いの方法は呪文を唱えたり、恨みを唱えながら復讐相手に見立てた藁人形に釘を刺す方法である。
特に藁人形による呪いの歴史は古く鎌倉時代後期から存在し、現在でも京都府の貴船神社や岡山県の育霊神社などの神社で藁人形による呪いの儀式を行っている。
尚、藁人形による呪いの事を『丑の刻参り』と言われている。
また、新宗教やカルト集団も呪いを利用したり呪いを代行するなどを行っているが、その多くは霊感商法(※)とも言えるまやかしが多いので注意が必要である。

呪いの効果

呪いの儀式は復讐相手に災いを起こしたり不幸に貶めるために行うのが一般的だが、その効果は一概に否定は出来ない。
呪いの儀式そのもので作用するのではなく、当人の恨みの念(霊魂)が生霊(※)となって人に災いすると考えられる。
しかし、生霊記事で説明している”本人の気付かない時に魂が肉体から離れる”とは違い、意図的に生霊を呼び起こし復讐相手に接触させていると言う事である。

呪い返し(解き方)

前項でも説明している通り呪いは一種の生霊の影響であるため、その人の怨念を和らげる、あるいは恨まれている原因を知りその原因を取り除く方法が最も有効的である。
呪いをかけている人が分かっていれば、直接その人と話して和解をする必要がある。
霊的に災いしているものを、素人が呪文を唱えるなどをして霊的に解決する事はほぼ不可能であり、危険が伴う。
特にインターネット上で呪い返しの呪文や護符などの情報が散乱しているがその殆どが霊感商法や悪徳宗教への誘導窓口になっているので注意が必要である。

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