真霊論-幽体離脱

幽体離脱

幽体離脱とは、霊魂が生きている人間の肉体から分離し、生きながらに外部へと抜け出す現象のことである。このときの霊魂の状態は、霊体と肉体との中間に位置する「幽体」と定義される。これが幽体離脱という名称の由来である。
ちなみに、幽体は宗教や思想体系によっては生霊、アストラル体、エーテル体などとも呼ばれる。それぞれの定義には微妙な差異が認められるが、それだけ、幽体離脱という現象が洋の東西も主義・主張も問わず、広汎にわたって記録されている体験なのだという証明だといえよう。
幽体離脱中は、ただ生きているのとも死んでいるのとも異なる特殊な状態におかれる。よって、この状態においては、物事の捉えかたや感じかたも常日頃とは大きく異なってくる。
最も多く報告されるのは、自分の肉体が横たわっているのを客観的に観察できるという現象だ。この特徴的な現象を目の当たりにすることで、自身が幽体離脱中なのだと自覚することも多い。さらに、幽体の行動範囲は自在である。空を飛んだり、壁を擦り抜けたりすることもできる。
また、このときは肉体という定型的な容れ物から解き放たれているため、日ごろは抑圧されているはずの意識もすべて解放されやすい。五感が通常時よりも遥かに鮮明になるというのは体験者の報告に多く共通している事実である。
こうした、日常生活では経験しえない体感があるため、人は一度体験すると再び幽体離脱への欲求に誘われてしまうのだろう。

幽体離脱のシチュエーションと注意点

臨死体験のバリエーションのひとつとしての幽体離脱が最もポピュラーだろう。また向精神薬服用時の副作用として報告されることもある。ほとんどの幽体離脱は、これらのように、本人の意志とは無関係のまま偶発的に引き起こされるものである。
しかしながら、高度な精神的修行を積んだ者であれば、自らの意志で自在に幽体離脱できるようになることもある。ヨガの訓練に幽体離脱と酷似したカリキュラムがあることは知られている。肉体と精神との距離感をはっきり知覚し、自分をよく知ることが、霊的な現象への近道であることはたしかなようだ。
現在では、具体的な幽体離脱のプロセスもある程度体系化されている。特別に崇高な精神の持ち主ではなくても、トレーニング次第では多くの人が自ら望んで幽体離脱することができるはずだ。コツを掴むまでは簡単なものではないが、根気よく、あきらめずに練習を続けることが肝要である。ちょうど泳ぎかたのように、一度覚えてしまえば幽体離脱の仕方も忘れることはないため、苦労するだけの価値はあるだろう。
ただし、意図的にできるようになったからといって、あまりにも頻繁に幽体離脱を繰り返してばかりいると、慢性的に肉体と霊魂との結びつきが緩くなってしまうおそれがある。この結びつきが不安定なままだと、肉体のバランスが崩れてしまう。すると体調を悪くしたり怪我をしたりしやすくなり、場合によっては意識も薄れがちになるため、充分注意したい。疲れるほど長い時間は幽体離脱し続けないことが最も容易な対策となるだろう。
加えて、長く幽体離脱をしていると、自分の肉体を留守にしているうちに他人に体を乗っ取られてしまう危険性は常にある。帰る場所をなくしてしまうと、いつしか肉体との結びつきが薄れていって、永遠に幽界をさまようことになるかもしれない。
また、一説によると、分離した幽体と肉体とは、臍の緒のような紐状の物質で繋がっているともいわれる。これを「魂の緒」、「シルバーコード」などと呼ぶが、これが切断されてしまっても、霊魂は二度と肉体へ戻ることができなくなり、医学的に死ぬことになる。
幽体離脱状態はあくまでも通常の状態ではないことを肝に銘じ、危険と隣り合わせであることは忘れないようにしたい。特に、心臓への負担は大きいため、心臓に疾患を抱えている人は気をつけるべきだ。

幽体離脱のための具体的な方法

なにより幽体離脱のためにはリラックスが重要である。意識を肉体という容れ物から解き放つのだから、窮屈な状態では都合が悪いのだ。
はじめに、適した環境を作ることが望まれる。まず、誰の邪魔も入らない空間を選ぶべきだ。部屋は明るすぎても暗すぎてもいけない。周囲に、手足がぶつかるような障害物をおくことも避けるべきだ。
環境が整ったら、仰向けになり、両手両足がそれぞれ触れあわないよう広げ、全身の力を抜く。骨格的に、人間の体は本当にリラックスしないと腰に近いほうの背中が床から浮いてしまうことに注意したい。体が浮いていてはそこに余計な負荷がかかるため、緊張をぬぐい去ることはできない。仰向けの状態で、ゆっくりと大きく息を吐くと、背中がぴったりと床につくのが確認できるはずだ。難しい場合は、軽く膝を立ててもよい。そうしたら、軽くまぶたを閉じる。これが基本姿勢である。
いよいよ幽体離脱をするには、両手両足がどこまでも遠くへ伸びていくようなイメージをもとう。指先に意識を集中させるとそのイメージが描きやすい。肉体が自分の意識から乖離していく感覚を身につけるのである。そして、体全体が床から浮き上がっているような想像をする。
ここまでのワンセットを毎日繰り返すことが、基本トレーニングになる。
実際に幽体が離脱する瞬間は、眠りに落ちる感覚に近い。特に、金縛りにあったときとの類似性を指摘する意見はよく見られる。耳鳴りや大きな振動などを感じる場合が多いが、このとき、けっして慌てず騒がず、平静を保つことだ。肉体から意識が離れていくと、慣れないうちは引き戻そうという力がはたらくが、意志を強くもって離れようとすれば、その力から逃れることができる。

科学的見地からみた幽体離脱

幽体離脱は、その報告例の多さと広汎さから、科学的にも研究対象となっている。
有名な研究者としては、自身も幽体離脱経験者であるアメリカの超心理学者のロバート・モンローがいる。モンローは、バージニア州に創立した自身のモンロー研究所において、幽体離脱体験を誘発するための音響技術「ヘミシンク」を開発している。
ヘミシンクは、わずかに波長の異なる音を両耳にそれぞれ流すことで、右脳と左脳の脳波が同調する原理である。これをヘッドフォンで聴きながら瞑想することで、幽体離脱が実現できるとされている。
また、脳外科からのアプローチとしては、スイスの神経科医師オルフ・ブランケの論文がある。2002年に「ネイチャー」誌に発表した論文「Neuropsychology: Stimulating illusory own-body perceptions」によれば、脳の右角状回を電気刺激することにより体外離脱体験が起きたと報告する。脳外科の範囲では、幽体離脱は霊的な現象ではなく、あくまでも脳波の異常として扱われているのが現状である。

幽体離脱-解説②

幽体離脱とは生霊(※)と良く似ており、生きている人間の体から霊魂(※)が離れてしまう現象の事を言う。尚、ここで言う霊魂は意識部分を表す。
ただし、生霊は自分が肉体から離れている事に気付いていない場合が多く、霊魂から自分の肉体を確認する事は出来ないとされているが、幽体離脱をした霊魂(意識)は、自分の身体を確認する(見る)事が出来ると言われている。
例えば、部屋のある一点より自分の生きている肉体が見えるなどの現象が起きる。
幽体離脱を体験した人の多くが鏡に映る自分を見ているような感覚であると言っている。
また生霊のように執着心が引き起こしているのでは無く、精神が安定している人も不安定な人も含め様々な精神状態の人が幽体離脱を経験しているため、幽体離脱と霊魂の因果関係は未だ不明である。

幽体離脱を経験した人の多くが自分の体に戻ること出来ないという恐怖感に襲われる。
その事から、死の世界と生の世界の狭間に挟まっている様な状態であると推測できる。
肉体への戻り方は、自分の体に近寄り胸のあたりに体当たりすると戻れると言うのが一般的であるが、光のある方向に進むと肉体に戻れるなどと証言している人も居る。
尚、医学ではリアルな幻覚や脳で見る夢であるとされている。

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