真霊論-人気占い師、過去と現代ではまるで違う?

人気占い師、過去と現代ではまるで違う?

「自分の生き方」を占い、発表する占い師
人気占い師の生き方・在り方が昔と大きく変化している。
2012年1月17日(火)より、インターネット動画サイトにて、「島田秀平の婚活ドライブデート」がYouTube上の「HORIPRO CHANNEL」にて配信されている。
自らの婚活を占い、番組で配信
これは、島田が自分自身の運勢を占ったところ「婚期が2012年から2013年に来る」ことが判明。ただ、本人いわく「今は彼女もおらず出会いも御無沙汰」であるとのこと。
その状況を打破すべく、自ら「婚活宣言」をし、未来の嫁探しを行いたいと言う話を、事務所(ホリプロコム)の先輩であるバナナマンのラジオ番組「TBS JUNK バナナマンのバナナムーンゴールド」に2012年1月6日、ゲストで出演した際に語っていた(同収録は2011年末に行われている)。
それを受けて年明けより早速、同事務所の芸人、スピードワゴン・江戸むらさき・ホリ・磁石らにより「島田秀平の婚活を応援するぞ!委員会」が結成された。それぞれ島田へ、思いやりとユーモアあふれるコメントを送っている。
また「婚活応援隊長」には島田の実の母親が就任。同番組の先行配信内で、「秀平に合った優しいお嫁さんが見つかればいいなぁと思います」とコメントを発表した。
女性による緊張の「ジャッジメントタイム」
現在配信中の第1話は、島田の故郷・長野県で、女性3人と島田によるドライブデートだ。
番組内ではたびたび「ジャッジメントタイム」が設けられ、島田とのデートが楽しいかそうでないかを女性が判定。そのままデートを続けたい女性は乗車し続け、デートがつまらない、と思われた場合はリタイアを申し出る、というお笑い番組らしいもの。
元来真面目な性格の上、企画のプレッシャーもあってか、緊張を隠せない様子の島田は、女性らとの接し方に四苦八苦している。彼が運命の女性と巡り合えればゴールと推測されるが、現在ははたしてどうなるのか、といった様相だ。
このように、人気占い師が自らを占い、てらいなく人生へ反映させていくというスタイルは今までに見られなかったものだ。
「自分は占えない」と語っていた過去の人気占い師
かつて、占い師といえば、自ら「他人のことは見渡せても自分のことは分からない」などと語ることが多かった。
例えば「新宿の母」と呼ばれ人気占い師のひとりである桑原すみ子は、母子家庭で幼少時は貧困にあえぎ、長じて結婚するも、子供を亡くし、その後離婚。波乱万丈の半生を送っている。
六星占術の始祖である細木数子も、少女時代は親の店の客引きを行い、自らも水商売の道へ進んだ。そこで成功するも借金を抱えたり、2度の離婚を経験したりする。またビジネスにおいても訴訟問題やマスコミからのバッシングが絶えなかった過去を持つ。
「銀座の母」、横田 淑惠も、二度離婚している。1男1女に恵まれるも息子は幼少時、生死の境をさまようほどのタクシー事故に遭遇。 また、配偶者(後に離婚)の経営する会社が倒産し、水商売に身を投じた経験もある。ここで占い師に出会い、新たな人生を歩むこととなった。
このように、占い師は、自分の数奇な人生や苦しみを不思議に思い、「なんとか幸せになりたい」「運命を切り開く方法が知りたい」などの動機で占いの道へ進むようになる。
そして、占い師になったあとも、他人には的確な占術を使えるものの自分の未来は見通せず、さまざま挫折やトラブルに見舞われることが多い。
スマートで明るい、現在の占い師
島田秀平も、元々は「号泣」というお笑いコンビで10年近く活動しており、ネタ番組出演などで一定の成果と人気を上げていたが、芽が出ず解散。コンビ活動後半に占いと出会い、現在の活躍をつかむに至っている。
しかし、その活動は前述の彼女らのような闇や業を感じさせず、どちらかというとスマートだ。ユーモアを絶やさず、今回の活動も「占い師が自ら、自分の鑑定が正しいかどうか実証します!」というような、芸人らしく、暗さを感じさせない「身を削る」行動であるといえる。
ダンディズムから分かち合いの時代へ
自分を占うことを捨て、相談者を救うために生きる、というダンディズムへの酩酊時代から、自分も楽しみつつ皆で占いを分かち合おう、というスタイルへ、人気占い師は変遷している。
確執に時の流れを反映した、実に興味深い現象だ。